特定技能でベトナム人を雇用するには?独自の手続きや費用がある?

特定技能でベトナム人を雇用する際、独自の手続きがあることをご存知ですか?

この記事では、ベトナム人の特徴から費用、DOLABや推薦者交付申請を初めとする特有の手続き及び注意事項に至るまで、徹底解説してまいります。特定技能外国人、特にベトナム人の雇用をご検討されている方はぜひ最後までご覧ください。

また、YouTubeでも解説動画をアップロードしていますので、ぜひ併せてご覧ください!

特定技能になるベトナム人はどのくらいいる?

2019年4月にスタートした「特定技能制度」ですが、制度開始以降ベトナム人がどれくらいの割合になっているのかを確認してみましょう。なお、特定技能制度の基本情報は「特定技能とは?制度の概要から採用の流れまで基本を徹底解説」をぜひご覧ください。

人数は増加中の一方で全体に占める割合は縮小傾向

まずはじめに、日本に在留している特定技能のベトナム人の人数を見ていきます。

出入国在留管理庁が公表しているデータによると、2023年(令和5年)12月末時点で、日本に在留する特定技能の外国人総数は208,462人、そのうちベトナム人が53.1%・110,648人を占めています。

ここ数年の推移を見ると以下の通りです。

特定技能外国人の在留者数推移_出入国在留管理庁
出典:出入国在留管理庁|特定技能制度運用状況(令和5年12月末)
特手技能外国人の総数とベトナム人数・比率
出入国在留管理庁|特定技能制度運用状況(令和5年12月末)をもとにジンザイベースで作成

特定技能外国人総数の増加と共に特定技能のベトナム人数も増えていますが、全体に占める割合は少しずつ減っているのが分かります。

ベトナム人には日本以外の選択肢も多い?

特定技能外国人全体に占めるベトナム人の割合が減ってきている理由としては、以下のことが想定されます。

ベトナム国内の経済発展

ベトナムの急速な経済成長がベトナム国内での就労機会を増やしており、海外への出稼ぎの必要性が減少しています。

他国への出稼ぎの人気

主に、オーストラリア、韓国、台湾、最近では中東なども人気で、日本よりも労働条件や給与が魅力的なことから、ベトナム人労働者は日本以外の選択肢を選ぶことも増えてきています。

日本の円安

最近は円安で他国通貨と比べて日本円の価値が下がっています。母国に送金をする外国人労働者にとっては円の価値が下がることは、日本での労働魅力の減少になります。

特定技能評価試験の不在

特定技能外国人の国籍で最も多いベトナムにも関わらず、これまでベトナム現地で特定技能評価試験が実施されていなかったことも、ベトナム人労働者が来日する障壁になっているでしょう。ただし、2024年3月からはこの技能評価試験がベトナム国内で受験可能となっていますので、今後の動向には要注目が必要です。

これらの要因が組み合わさることで、日本での特定技能のベトナム人労働者の割合は減少傾向にあると考えられます。

特定技能評価試験の実施に伴い、今後は増加トレンドへ?

先に記載の通り、2024年3月よりベトナム国内でも特定技能評価試験が開始されました。

まずはハノイのみで介護と農業分野の試験が3日間実施されましたが、3日間とも予約日に満席になるなど人気の高さが伺えます。

今後はホーチミンなど別都市での会場開設も予定されていることから、特定技能のベトナム人はより増加傾向になると期待されます。

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とはいえ、特定技能のベトナム人はどうしてこんなに多い?

特定技能で働くベトナム人が多い理由としては、まず第一に日本がベトナムと比べて給与が高いことがあげられます。

また、ベトナムは日本製品や日本企業の進出などが進んでいるため親日国です。さらには、日本のアニメやマンガなどが若者に浸透していることも理由として考えられます。

とはいえ、まだ比較的新しい制度である特定技能で働くベトナム人が全体の60%以上を占めているのは、技能実習生留学生として来日した後に、特定技能へ在留資格変更するケースが多いからでしょう。

技能実習はもともとは中国が大半を占めていましたが、近年の経済成長などから中国の技能実習生は大きく減少し、代わりにベトナム人を多く受け入れるようになった背景があります。

これにより、2023年6月現在で国別ではトップの185,563人のベトナム人技能実習生が在留しており、彼らが特定技能への在留資格変更を行っていることが、特定技能ビザをもつベトナム人が多い大きな理由でしょう。

なお、技能実習制度については、「技能実習生って問題だらけ?制度や受け入れ方法について徹底解説」の記事もぜひ併せてご覧ください。

ベトナム人の特徴は?

次に採用の前に押さえておきたいベトナム人の特徴をご紹介します。こちらはあくまでも特定技能外国人として日本で就労される方に多く見られる傾向に過ぎませんので、ご参考程度にお読みください。

特徴①:向上心が強く、勤勉

まず挙げられる特徴としては、向上心が強く勤勉であるという点です。

日中は大学へ、夜間は専門学校へ通うといったダブルスクールに取り組む人も多く、それだけ向上心が強く、勉強熱心である人が多いと言えるでしょう。

特徴②:近視眼的

近視眼的な考え方をするという特徴もあります。

不況や急激なインフレなどを経験したことから、将来的な利益よりも目の前の利益を取り、短期的な報酬を求める人が多いです。

特徴③:器用

非常に器用なこともベトナム人の特徴の一つです。

例えばバイクや自転車などの修理は自分でやることが多かったり、ABUアジア・太平洋ロボットコンテストでも上位入賞したりしています。

弊社が運営するYouTubeチャンネル『ぐろーばる採用TV』でも、弊社ベトナム人社員がベトナム人の特徴について解説しています。以下からぜひ併せてご覧ください。

特定技能でベトナム人を雇用するメリットは?

続いて、特定技能制度でベトナム人を採用するメリットとデメリットについてお話していきます。

メリット

まずはメリットから確認していきましょう。

宗教的な制約がなく、日本文化に馴染みやすい

まず、ベトナム人は宗教的な制約が少ないこともメリットとして挙げられるでしょう。

ベトナム人は仏教や儒教などを信仰している場合が多く、「一日の中で決まった時間にお祈りが必要、特定の行動が取れない」などといった宗教上の制約がない場合が多く、宗教上の配慮が必要なケースはあまりないでしょう。

人数が多いので採用しやすい

先に述べた通り、特定技能制度ではベトナム人の在留者数が最も多いため、募集する際に応募を獲得しやすいという点は大きなメリットでしょう。

また、特定技能ビザは技能実習や留学から移行することも可能ですので、今後数年はベトナム人の採用を前提に特定技能制度を活用することで、必要な母数を確保しやすくなるでしょう。

手先が器用で勤勉な方が多い

先の特徴で挙げた通り、ベトナム人は真面目で勤勉なうえ、器用な方が多く、そういった特徴は日本人とも似ており、総じて相性がいいと言えます。

結果的に、日本での業務においては幅広く適応をしてくれることが期待でき、どのような業務でも活躍が見込まれるでしょう。

そのため数ある外国人の中でも、一緒に働きやすいという点ではトップクラスなのです。これは、先に挙げた通り、日本国内におけるベトナム人の在留者数を見ても明らかです。

デメリット

対してベトナム人を採用することで発生するデメリットも併せて確認しておきます。

すぐに転職されるリスクがある

ベトナム人は近視眼的な思考を持っており、短期的な報酬がどれだけあるかを重視しがちです。

そのため、残業時間が普段よりも一時的に減ってしまったり、友人と比較したときに「どうしてこんなに給与に差があるのか?」と不満につながったり等、待遇次第ではより良い条件を求めて他社へと転職されてしまう可能性があります(特定技能制度は、技能実習制度と異なり、転職が可能な在留資格です)。

また、在留人数も多いため、SNSなどのコミュニティも活発で、SNS上でも求人が多数掲載されていたりします。さらに、送り出し機関などから転職オファーを日頃から受け取っていることもあるため、離職を防止するために待遇や職場環境を維持・向上させる工夫なども必要です。

応募の獲得難易度が上昇している

上記と少し重複しますが、在留者数が多いためベトナム人同士の横の繋がりも多く、またSNSのコミュニティも多数あるため、先輩ベトナム人などから直接な情報やSNS上の口コミなど常に様々な情報が入ってきます。

給与待遇面や利便性・周辺環境(友人の有無など)を重視する方も多く、地方などでは応募獲得が困難になっているのも事実です。地方においては、都心部との賃金格差がないなど、彼らにとってより魅力を感じる条件を考える必要があるでしょう。

また、ベトナムの経済成長による日本との賃金格差の縮小や円安、他国への流出なども応募獲得が難しくなっている要因になっています。

国外から呼び寄せに場合、送り出し機関が必須

特定技能制度では、一部の国では海外から呼び寄せる際に現地の送り出し機関を必ず活用しなければならないと規定されています。

ベトナムもその国の一つとなっており、国外から呼び寄せる際には、現地の送り出し機関と契約し、一定の送り出し手数料を支払う必要が出てきます。

この点、他の国籍者を雇用する場合と比較すると、ベトナム人の国外採用はコスト面でデメリットがあると言えます(コストに関しては後ほど詳しく解説します)。

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特定技能でベトナム人を雇用するには?

特定技能制度では、受け入れ企業側、外国人側双方に要件が設けられていますので、以下に解説していきます。

受け入れ企業側の要件を満たす

受け入れ企業側では、主に4つの要件を満たす必要があります。

特定技能制度で雇用する企業側が満たすべき要件
特定技能制度で雇用する企業側が満たすべき要件

① 義務的支援の実施体制が構築できている

特定技能制度では、義務的支援」を受け入れた特定技能外国人へ実施しなければならないと法令で定められています。

10の義務的支援一覧
義務的支援一覧

さらに、この義務的支援は、支援責任者と支援担当者を選任し実施しなければなりません。いずれも、以下どちらかの条件を満たした方しか選任できません。

  • 過去2年以内に中長期滞在者の受入れ実績がある場合、自社の社員の中から選任
  • 過去2年間、中長期滞在者への生活相談業務等に従事した経験のある社員

要は、「初めて外国人を受け入れる企業様」に関しては、この義務的支援の要件を満たすことができません。

この条件を満たせない企業に関しては、登録支援機関」と呼ばれる外部の企業へ義務的支援を委託することで、要件を満たすことができます。「外国人を雇用したことはあるけど、義務的支援の実施方法がわからない/工数がかかるのでアウトソースしたい」という企業も、この登録支援機関に委託することで、工数を削減しながら特定技能外国人の雇用が可能になります。

登録支援機関に委託する場合は、支援委託料が毎月発生するため、どの支援機関に委託するかはしっかりと比較検討するようにしましょう。

義務的支援や登録支援機関については、「登録支援機関の役割って何?特定技能外国人への支援内容や選び方を解説」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

② 雇用契約が適切である 

特定技能外国人は、同じ作業をする日本人と同等かそれ以上の報酬を支払う必要があります。また、外国人だからと言って、手当や賞与、福利厚生施設の利用などで、日本人と異なる差別的な扱いをしてはいけません。

給与条件については、ビザ申請の際に雇用条件書を出入国在留管理庁に厳しく確認されます。特定技能外国人の雇用契約が適切ではないとみなされた場合、指摘が入ってきたり、最悪、ビザの許可が降りなくなってしまいますので、注意しましょう。

雇用契約については「【特定技能雇用契約書】内容や締結時の注意点などをまとめて解説」でも解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

‍③ 会社都合の解雇や行方不明者がいない(過去1年以内)

特定技能制度の目的は、人手不足を解消することです。

そのため、直近1年以内に非自発的な離職(会社都合での解雇)や行方不明者(会社の責に帰すべき事由がある場合)がいる場合は、特定技能外国人の受け入れができません。

④ 分野ごとの基準を満たしている(協議会への加入)

特定技能制度では、12の分野ごとに協議会というものが組織されており、受け入れ企業は必ずこの協議会への加盟が求められています。

この協議会は分野ごとに加盟時期が異なり(製造業と建設業は入管へのビザ申請前に協議会加盟が必須です)、独自の加盟条件を設けています。そのため、分野ごとの独自の基準を自社が満たしているかは事前に確認しておく必要がありますので注意が必要です。

特定技能とは?制度の概要から採用の流れまで基本を徹底解説」の記事内から、各分野の解説ページをご覧いただけますので、ぜひあわせてご覧ください。

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ベトナム本人が要件を満たす

以下の図で示した通り、特定技能になるためには、2つのいずれかの要件を満たす必要があります。それぞれ見ていきましょう。

図解_特定技能外国人になるための要件
特定技能1号になるための要件

①特定技能評価試験と日本語試験に合格する

まず、特定技能評価試験と日本語試験に合格する必要があります。

この特定技能評価試験は、国内・国外で各12分野ごとに独自で実施・運営されています。基本的には実技試験と学科試験で構成されており、介護業のみ介護日本語試験を別途受験し、合格する必要があります。

国外では、二国間協定と呼ばれる協定締結国でも実施しているため、海外居住者でも受験することが可能です。

二国間協定締結国一覧
二国間協定締結国一覧

一方で、二国間協定締結国以外の海外居住者の方は、日本に滞在期間中に試験を受験することが可能です。(短期滞在等の在留資格を取得する必要がありますが。)

日本語能力に関しても、基準が設けられています。

対象となる試験は、「日本語能力試験(N4以上)」か「国際交流基金基礎テスト(A2以上)」のどちらかとなっております。日本語能力試験に関しては、世界96ヵ国(うち3ヵ国は休止中)で定期的に開催されていますので、国外からでも受験可能です。

特定技能評価試験については、「特定技能には試験が必要?日本語試験と技能試験の概要や合格率を解説」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

② 技能実習2号を良好に修了する

技能実習2号を良好に修了した元技能実習生の方は、先に挙げた2つの試験(特定技能評価試験と日本語試験)に合格することなく、特定技能へ移行することが可能です。

ただし、技能実習時と同じ分野へ移行する場合に限られますので注意しましょう。(参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」P8〜P9)

技能実習時と異なる分野で特定技能へ移行する場合は、特定技能評価試験と日本語試験に合格する必要があるので気をつけましょう。

採用募集を開始する

特定技能で雇用するためにはビザ申請の前に雇用契約を結ぶ必要があります。そのため、まずは採用募集を開始しましょう。

ベトナム人の採用募集で簡単にできるものとしては、具体的には以下などでしょう。

  1. SNSを活用して募集をかける(母国語で記載必須)
  2. 日本語学校等と提携する
  3. 外国人材紹介会社、登録支援機関を活用する

ただ、1や2については求める人材とは異なる方からの応募が集まり、面接や対応などの工数だけがかかってしまうデメリットもあります。

これまで外国人採用の経験があまりなかったり、できるだけ手間や工数を減らしたい場合などは、外国人材紹介会社や登録支援機関を活用することをオススメします。

弊社の場合、最短2週間で特定技能外国人をご紹介することができます。もし人手不足でお困りの企業様は、せひお気軽にご連絡くださいませ。

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特定技能でベトナム人を採用する流れは?

ここからは特定技能制度でベトナム人を採用するルートを2つに分けてみていきたいと思います。

大きく分けると、国外から呼び寄せる方法と国内にいるベトナム人を採用する方法の2パターンです。

図解_特定技能外国人の採用パターン(国外・国内)
特定技能外国人の採用パターン(国外・国内)

海外現地から呼び寄せる場合の流れ・手続き

ベトナムから来日してもらうルートで採用する場合、以下のステップを踏みます。

特定技能外国人の採用パターン(国外・国内)

ステップ①:受け入れ企業と送り出し機関で労働者提供契約を締結

送り出し機関との間で労働者提供契約を締結後、送り出し機関からDOLAB(ベトナム労働・傷病兵・社会問題省 海外労働管理局)に対して、労働者提供契約の承認申請を実施してもらうことになります。

ステップ②:送り出し機関からの紹介、雇用契約の締結

労働者提供契約が承認されれば、送り出し機関からベトナム人の紹介を受けることになります。

紹介を受けたベトナム人に面接などを実施し、問題なければ当該ベトナム人と雇用契約を締結します。

ここで紹介されるベトナム人は、技能実習2号または3号を良好に修了した後に帰国した者、もしくは現地で特定技能評価試験に合格した者です。 

ステップ③:DOLABヘ推薦者表交付申請

雇用契約締結後、送り出し機関はDOLABに対して推薦者表の申請を実施します。

申請が通れば、無事推薦者表が発行され、受け入れ企業へ送付してくれるのです。

ステップ④:在留資格認定証明書交付申請

送り出し機関から送付された推薦者表を合わせて、地方出入国在留管理庁へと在留資格認定証明書交付申請を実施します。

在留資格認定証明書の交付後、それを当該ベトナム人に送付することになります。

ステップ⑤:ビザ申請

在留資格認定証明書が届いたベトナム人は、在ベトナム日本大使館にてビザ申請を実施します。

ステップ⑥:来日・就業開始

無事ビザが発給されれば、来日の上就業開始となります。 

日本国内にいるベトナム人を採用する流れ・手続き

次に既に日本に在留しているベトナム人を採用するルートを見ていきましょう。

国内にいる特定技能外国人(ベトナム人)を採用する流れ

ステップ①:ベトナム人と雇用契約を締結

国内に在留しており、技能実習2号又は3号を良好に修了、あるいは特定技能評価試験に合格したベトナム人と面接を実施し、双方問題なければ雇用契約を締結します。

ステップ②:駐日ベトナム大使館へ推薦者表交付申請・発行

雇用契約を締結後、受け入れ企業は駐日ベトナム大使館に対して、推薦者表の交付申請を実施しなければなりません。

なお推薦者表の申請自体は、当該ベトナム人や人材紹介会社、登録支援機関も行うことが可能です。 

ステップ③:在留資格変更許可申請

当該ベトナム人は地方出入国在留管理庁に対して、交付された推薦者表と他の必要書類を併せて提出し、在留資格変更許可申請を実施します。

ステップ④:就労開始

在留資格変更許可申請が許可されれば、無事就業開始となります。

特定技能制度でベトナム人を雇用する際の注意点

最後に、特定技能制度でベトナム人を雇用する際の注意点を見ていきましょう。

推薦者交付申請が必要

まずはじめに、ベトナム人を特定技能制度で雇用する場合、「推薦者表交付申請」というものが必要です。

特定技能制度では、ベトナムとの二国間の協力覚書(MOC)において、「日本はベトナム政府が承認した推薦者表に記載のある者のみを受け入れる」という取り決めをしています。

そのため特定技能制度でベトナム人を雇用する場合は、在留資格認定(変更許可)申請時にこの推薦者表をその他の必要書類と併せて、出入国在留管理庁へと提出しなければならないので注意が必要です。

すでに特定技能だったとしても、ビザ申請が必須

すでに特定技能の在留資格を取得している方が、転職するために応募してくるケースもあるかと思いますが、特定技能においては、すでに特定技能1号を取得していたとしても、転職する度に新たに入管へ在留資格変更許可申請を実施する必要があります。

そのため、特定技能を取得して他社で働いている方でもすぐに雇用できるわけではなく、ビザの許可が降りるまでは入社ができないという点は注意しておきましょう。

申請が不許可になるケースがある

もちろん、ビザ申請が不許可になることも考えなくてはなりません。

特に、留学生の場合、以下の点を面接時に必ず確認するようにしましょう。

  • 住民税・国民健康保険料の滞納がない
  • 週28時間以上のアルバイト等の就労をしていない
  • 学校を合理的な理由なく退学していない

こういった事項は、出入国在留管理局へ「住民税の課税証明書」や「納税証明書」、「源泉徴収票」、「卒業証明書」等を添付書類として提出しますので、必ず発覚してしまいます。

うっかり税金の滞納をしている方は意外と多く、申請時に発覚するケースがあります。速やかに支払うように指導しましょう。

また、留学生の場合はアルバイトの時間が週28時間までと制限されていますので、オーバーワークしている方は不許可になってしまう可能性があります。

理由なく退学しているケースも要注意です。コロナの影響で授業料を支払えなくなってしまったなどの合理的な理由がない場合は、特定技能の許可がおりません。

送り出し機関の活用に注意

まず、特定技能制度で海外にいるベトナム人を採用する場合、送り出し機関を利用することは二国間の協力覚書(MOC)でも規定されています。

しかし、この送出し機関を利用する際に、送出し機関とベトナム人の間にブローカーが介在している可能性も高いです。悪質なブローカーは日本での就職を斡旋する代わりに、ベトナム人に不当な手数料を請求するケースも少なくありません。

また、技能実習からの移行にて特定技能の外国人を雇用する場合、不要な費用請求がされ続けないかも注意してください。

技能実習生であれば、「送り出し管理費」や「監理団体への監理費」を支払う必要がありますが、特定技能においてこれらは不要です。

特定技能へ移行をしたにも関わらず、技能実習の付き合いのままこれらの費用を継続して支払っているケースもあるのでご注意ください。

なお、送り出し機関については、「送り出し機関は問題だらけ?認定要件や選び方を徹底解説します!」の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

まとめ

今回は特定技能制度におけるベトナム人採用をテーマにお話してきましたが、いかがでしたか。

当社は登録支援機関として活動しており、ベトナム人含めた特定技能外国人の紹介から、就業開始後の定着支援に至るまで、一貫したサービスを提供しております。 

もしベトナム人含めた特定技能外国人の採用を検討されている場合、こちらの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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監修者
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。
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