この記事では、特定技能1号・2号の対象となる外国人や対象職種、技能評価試験など、特定技能制度の概要を解説していきます。技能実習生との違いや採用の流れ、費用及び登録支援機関についても解説していますので、特定技能外国人の雇用をご検討の企業様は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、YouTubeでも動画形式で特定技能制度について解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
「特定技能」ってどんな在留資格?!
まず、「特定技能」とはどのような在留資格なのかをご説明します。
「特定技能」とは在留資格の一つで、日本の労働力不足への対策として、特定産業分野の12分野14業種で、外国人労働者の受け入れを促進することを目的に2019年4月に導入された比較的新しい労働制度のことを指します。
この特定技能制度により、例えば、外食業・建設業・農業・宿泊業・製造業など、日本国内では充分な人手確保が難しい業種において、単純労働を含む作業に従事させることが可能になりました。
後ほど解説しますが、特定技能になるには一定の業務知識・日本語能力を要件とされているため、即戦力となる外国人労働者の雇用が可能となっています。
在留資格「特定技能」が創設された背景
在留資格「特定技能」が創設された背景について見ていきましょう。
結論から言うと、「日本の少子高齢化の加速」と「現場作業(ブルーカラー)者の不足」が背景として挙げられます。
日本の少子高齢化の加速
内閣府の令和4年版高齢社会白書によると、令和3年(2021年)10月1日現在、日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)割合は28.9%にまで上昇しています。
一方で、労働の中核を担うと言われている15〜64歳の生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークにその後減少を続け、2021年には7,450人と総人口の59.4%にまで減少しています。
この生産年齢人口は2040年には6,000万人を下回ると推計されており、人材獲得が事業継続のための重要な経営課題になっています。
現場作業(ブルーカラー)者の不足
帝国データバンクによると、2022年1月時点で、正社員・非正社員(パートアルバイト)が不足していると回答した上位10業種は以下の通りとなっております。
表から見て分かる通り、飲食店や旅館・ホテル、建設業、農林水産業などの現場作業(ブルーワーカー)の人手不足が比較的目立っております。
農林水産業や建設業などは、特定技能制度ができる以前より、技能実習制度の対象職種として外国人研修生を受け入れることが可能でしたが、それでも慢性的な人手不足は続いておりました。
また、飲食店やホテルにおいては、現場での単純労働に従事できるのは永住者などの身分系在留資格のみに限られていたため、外国人材の母数が少なく外国労働者の雇用が人手不足の解決にはなりませんでした。
このような背景から、単純労働を含む幅広い業務に従事ができる「特定技能」の在留資格が創設されました。
また、この「特定技能」は、技術・人文知識・国際業務の在留資格ような学歴と就労業務の関連性などが求められないため、外国人側のハードルが低いのもメリットです。
現状、特定技能で在留する外国人は何人くらい?
以下の表は、出入国在留管理庁が公表している2023年6月末現在の特定技能外国人の数です。
日本に在留している特定技能外国人は173,089名、国籍別で見るとベトナムが最も多く97,485名、次いでインドネシアが25,337名です。
また、特定産業分野別では、飲食料品製造業が最も多く53,282名、次いで素形材・産業機械・ 電気電子情報関連製造業が35,641名となっています。加えて、介護や外食業においても、近年特定技能での在留者数が急増してきており、多くの分野において活用が進んでいると言えるでしょう。
「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類存在する
この特定技能という在留資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つの区分が存在します。
前提としては、まず「特定技能1号」の在留資格を取得し、一定の条件を満たした場合、「特定技能2号」へ移行という流れになります。
特定技能1号
特定技能1号は「特定産業分野ごとの相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められる」とされており、特定技能評価試験(後ほど解説)と日本語能力試験(N4相当)に合格している必要があります。
対象は12分野で、在留期間の上限が「5年」となっており、別の在留資格へ変更しない限りは帰国しなくてはなりません。また家族の帯同は認められておりません。
特定技能2号
特定技能2号は、「長年の実務経験等により身につけた熟達した技能が求められる」こととなっており、例えば建設分野では、以下の2点を満たしたもののみ特定技能1号から移行することが認められています。
- より高度な特定技能評価試験(各分野ごとに実施)もしくは技能検定1級に合格した者
- 複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する班長・監督者としての実務経験がある者
対象は、2019年創設時点では「建設業」「造船・船舶工業」の2分野のみでしたが、2023年から介護を除く11分野への拡大が決定し、2023年秋から試験も予定されています。
また、在留期間の上限がなく、要件を満たすことで家族の帯同も可能です。これらは外国人労働者にとっては特定技能1号よりも魅力的な在留資格と言えるでしょう。
以下、双方の概要を比較した表になります。
特定技能は2019年に創設された在留資格のため、2023年6月末現在では、特定技能2号へ移行をした外国人は僅か12名のみとなっております。
一方、特定技能2号移行後に永住権取得の要件を満たすことで、「永住者」の在留資格への変更が可能になります。そのため、今後は単純労働などの幅広い業務が可能な特定技能ビザを経由して永住権を取得する外国人労働者も増えていくことが予想されます。
在留資格「永住者」(永住権)について詳しく知りたい方は「永住権はどうやって取得できる?条件や永住者、帰化との違いについても解説!」もご覧ください。
在留資格「特定技能」では、働ける業種に制限がある?
先ほどからお伝えしている通り、2023年10月時点で、在留資格「特定技能」は12分野14業種の特定産業分野での就労に限られております。
対象業種は以下の通りです。
①建設
②造船・舶用工業
③自動車整備
④航空
⑤宿泊
⑥農業
⑦漁業
⑧飲食料品製造業
⑨外食業
⑩素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
⑪介護
⑫ビルクリーニング
※元々は14業種でしたが、2022年4月26日に素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3分野を統合し、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」とすることが閣議決定されたため、12分野14業種という表現をしています
また、雇用形態は基本的には「直接雇用」が前提で、週5日以上、時間数で言うと30時間以上就労することが求められます。しかし農業と漁業においては例外で、一定の条件を満たすことで、派遣形態での雇用が可能になります。詳しくは「【特定技能って派遣できる?】受け入れ方法や要件、注意点などを解説」をご覧ください。
特定技能の対象業種は管轄する省庁が異なるため、それぞれ独自の受け入れ基準を設けています(例えば、建設業の場合、特定技能外国人の受け入れ許可を国土交通省から得る必要がある等)。
また、建設業と介護業においては、受け入れ人数(雇用できる人数)の制限があるので注意が必要です。
建設業は「特定技能」と「特定活動」の在留資格で就労する外国人労働者の合計が、受け入れる企業の常勤職員の人数まで、介護業は事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を上限とされています。
特定技能の受け入れ人数については「【特定技能の受け入れ人数】人数制限の有無や現状の受け入れ状況を解説」もぜひ併せてご覧ください。
「技能実習」と「特定技能」の違いはなに?
「特定技能」と間違われやすい制度に「技能実習」があります。これらはそれぞれ制度設立の目的が異なるため様々な違いが存在します。
技能実習制度とは、ざっくりと以下のような目的を有しています。
技能、技術、知識の移転を通じた国際貢献という制度趣旨から、技能実習生は「労働者」よりも「研修生」としての側面が強くなっています。そのため技術を必要としない単純労働をすることは認められていません。母国へ帰ることが前提なので、家族帯同などもありません。
一方、「特定技能制度」は国内特定分野の人手不足の解消、労働力の確保が制度設立の目的で、外国人を労働力として受け入れることが前提の在留資格です。そのため単純労働を含む幅広い業務に従事が可能です。
違いを以下の通りまとめました。
技能実習、特定技能との違いについての詳細はこちらの記事もご覧ください。
▶技能実習生って問題だらけ?制度や受け入れ方法について徹底解説!
▶【特定技能と技能実習】7つの違いとメリット/デメリットを徹底解説!
特定技能外国人は転職が可能?
「特定技能」の在留資格は、設立背景や制度趣旨から外国人労働者の就労や活用の幅を広げるため、転職が可能となっています。
ただし、以下2点いずれかの条件を満たした場合のみ転職が可能です。
また、すでに特定技能の在留資格を持っていたとしても、就労先企業が変わる度に「在留資格変更許可申請」の手続きが都度必要になります。そのため、転職先での就労が可能になるのは、早くても1-2ヶ月程度かかるので注意が必要です。
特定技能における転職について詳しく知りたい方は「【特定技能における転職】転職ができる条件や手続きなどをまとめて解説」で詳しく解説しています!
特定技能を雇用するには、登録支援機関が必須?
特定技能外国人は、後に解説する「特定技能評価試験」と「日本語能力試験N4以上」に合格した、一定の技能知識と日本語力を有する即戦力人材が対象となります。
とは言っても、まだまだ一人で日本社会において生活するには不安が残ります(もちろん個人差はありますが)。こういった事情を考慮し、受け入れた特定技能外国人に対して支援を実施することが法令で義務付けられています。
1号特定技能外国人が「特定技能」の在留資格に基づく活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を実施する必要があります。(引用:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」)
本項においては、特定技能制度において特に特徴的な、「支援」や「登録支援機関」と言うテーマについて詳しく見ていきましょう。
特定技能外国人に対して「支援」を実施する義務がある
まず前提として、特定技能外国人を雇用する企業や組織は「受け入れ機関(特定技能所属機関)」と呼ばれます。
そしてこの受け入れ機関は、繰り返しになりますが、受け入れた特定技能外国人に対して、職場の業務や日常生活を円滑に行えるように「支援計画」を作成した上での実施が義務付けられています。
法令で定められている、受け入れ機関がやるべき支援事項は以下の10項目です(参考:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」)。
注意点として、この支援義務は特定技能1号の外国人に対してのみで、特定技能2号の外国人は支援義務の対象外です。すでに日本での在住歴が長く、日本語力的にも問題なく生活できるレベルに達しているためです。
特定技能の受け入れ機関や義務的支援の詳細については、「特定技能の受け入れ機関(特定技能所属機関)になるには?受け入れ条件や果たすべき義務などを徹底紹介!」も併せてご確認ください。
「支援」は登録支援機関へ委託することが可能
前述の通り、受け入れ機関は特定技能外国人への支援義務がありますが、これらを全て自社で行うのはとても大変ですよね。さらに、直近2年間で外国人の受け入れ経験がない場合は、自社での支援は行えないというルールにもなっています。
「自社で対応するのには工数的にも無理がある」、「そもそも外国人の受け入れが初めて」という企業は、特定技能外国人の雇用ができないのでしょうか?
結論、自社で対応が難しい場合、出入国在留管理庁から認可を受けた「登録支援機関」に特定技能外国人の支援を委託することで、受け入れが可能となります。
登録支援機関に委託することで、
といった業務を全て外注することが可能になります。
また、登録支援機関に支援委託をする際は、業務を一部だけ自社で実施することができません。支援委託する場合は全委託が前提になり、一部でも省くと法令違反になるので注意しましょう。
登録支援機関に関して詳しく知りたい方は「「登録支援機関」徹底解剖!特定技能外国人への支援内容から選び方まで解説」もご覧ください。
外国人が「特定技能」を取得する要件は?
ここからは、外国人が特定技能1号になるための要件について解説していきます。雇用予定の外国人の方が要件を満たしているかは、事前にしっかりと確認することが重要です。
特定技能評価試験に合格する
特定技能の在留資格を取得するためには、「特定技能評価試験」と言われる、日本語能力と技能水準を評価する試験それぞれの合格が必須です。
技能水準を評価する試験
こちらは、即戦力として働くために必要な知識や経験、技術を持っているかどうかを確認する試験です。そのため、特定技能が対象の12業種分野ごとに試験があり、内容、会場、日程なども異なります。なお、この試験は国内だけではなく国外でも実施されているため日本に在留していなくても受験することが可能です。
最新の試験予定や過去の実施状況(実施日、受験者数、合格者数など)については、出入国在留管理庁の試験関係のページをご覧ください。
日本語能力試験
日本語能力試験は、「日本語能力試験(JLPT)」もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のうちいずれか1つを受験をする必要があります。
「日本語能力試験(JLPT)」は日本語能力値をN1~N5までの5段階レベルに分けており、特定技能の取得にはN4以上が必要です。
「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」は、JLPTよりも実施の頻度が高いため、再度試験を受けるのにも便利です。合格基準は総合250点満点のうち200点のA2レベル以上が必要で、パソコンやタブレットを使用するCBT方式(コンピューター・ベースド・テスティング)なので、その場で判定結果が表示されます。また、この日本語能力試験も日本だけでなく海外での受験も可能です。※詳細は後述します
「技能実習2号」を修了する
「特定技能」の在留資格を取得する方法として、「技能実習」から在留資格を移行するというケースもあります。
移行する際の要件は以下の通りです。
前述の通り、本来、特定技能評価試験は日本語と技能水準評価の試験に合格する必要がありますが、技能実習2号を良好に修了している場合は日本語試験が免除、技能実習2号の職種・作業と特定技能で行う業務に関連性が認められる場合は技能試験も免除されます。
特定技能評価試験って、どんな試験?
ここでは「特定技能評価試験」について、もう少し掘り下げて紹介していきます。
① 12分野ごとの技能試験
特定技能評価試験には、特定技能が対象の12分野ごとに、即戦力として働くために必要な知識や経験、技術を持っているかを確認する技能試験があります。
基本はCBT方式(コンピューター・ベースド・テスティング)で実施されるため、コンピューター上で問題文を読み、回答していく形になりますが、学科試験に加えて実技試験が設けられている産業分野もあります。
技能試験は特定技能対象の12分野ごとに試験を監督する団体が存在し、以下の通りです。
② 日本語能力試験(JLPT)/国際交流基金基礎テスト(JFT)
続いて、日本語試験についてです。
この日本語試験は特定技能での就労を望む外国人の日本語能力を測る試験で、前述の通り、「日本語能力試験(JLPT)」もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の2つが存在します。
日本語能力試験(JLPT)
日本語能力試験は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営しており、年間100万人以上が受験する世界最大規模の日本語試験です。
内容は、言語知識(文字、語彙、文法)・読解・聴解の3つの要素から日本語のコミュニケーション能力を測り、マークシート方式です。
180点満点のうち点数によって5段階に日本語レベルが分けられ、N1~N5と表現されます。
N1が最も日本語能力が高いレベル、N5が最も低いレベルとされ、特定技能取得ではN4(基本的な日本語を理解できるレベル)以上が必要です。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
国際交流基金日本語基礎テストは、就労を目的として来日する外国人が日常生活でのコミュニケーションに必要な日本語能力を持っているかを判定する試験です。
内容は、文字と語彙・会話と表現・聴解・読解の4つの要素から日本語力を測り、CBT方式です。
250点満点で点数により、A1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階に日本語レベルが分けられます。A1が最も低いレベル、C2が最も高いレベルとされ、特定技能取得ではA2レベル以上が必要です。
それぞれの日本語試験の詳細については公式サイト(日本語能力試験/JLPT公式サイト / 国際交流基金日本語基礎テスト/JFT-Basic公式サイト)にてご確認ください。
日本国内だけでなく、海外でも受験できる?
現在は、技能試験も日本語試験も日本国内だけでなく海外で受験ができるようになっています。
技能試験は、日本政府が「二国間協定」という政府間の協定を締結している以下の国で実施されています。
ただし、上記全ての国で各12分野の技能試験が実施されているわけではありません。国によっては試験が実施されていない分野があったり、実施されていたとしても、開催頻度が極端に少ないケースもあるので注意が必要です。
一方で、2020年4月1日以降は国内試験の受験資格が緩和され、「短期滞在」の在留資格で入国した外国人でも受験が可能になりました。これにより、二国間協定締結国でなくても、短期滞在(観光)で日本に来て技能試験を受けるなど、在留資格を取得する選択肢が広がりました。
また、JLPT、JFT-Basicどちらの日本語試験も海外での受験が可能になっています。こちらも開催国、実施の有無などそれぞれ異なるため、スケジュールの確認はそれぞれ公式サイト(日本語能力試験/JLPT公式サイト / 国際交流基金日本語基礎テスト/JFT-Basic公式サイト)よりご確認ください。
「特定技能評価試験」については「特定技能の取得に必要な「特定技能評価試験」とは?日程や合格率を解説」でより詳しく紹介しておりますので、是非併せてご覧ください。
特定技能外国人の具体的な採用方法は?
ここからは特定技能の外国人を採用する方法について見ていきます。
「留学」など、他の在留資格を持っている方を採用する
まずは他の在留資格を有する外国人を「特定技能」に切り替えて採用するパターンです。特に、「留学」からの切り替えがメインとなってくるでしょう。
留学生は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」へ資格変更を希望するケースが大半でしたが、近年「特定技能」への切り替えを希望される方も増えてきています。
「特定技能」は、学歴と就労業務の関連性が不要なので、取得のハードルが「技術・人文知識・国際業務」よりも低く、取得しやすい制度となっていることが要因となっています。
「技能実習」から切り替える
前述の通り、「技能実習」からステップアップをしたい技能実習生を在留資格「特定技能」へ移行する方法です。
技能実習2号・技能実習3号の修了者は、同じ分野であれば無試験で特定技能へ移行することが可能です。既に同分野で一定の経験を積んでいるため、まさしく即戦力として雇用することが可能でしょう。
また、特例で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、技能実習終了または解雇などで帰国できない技能実習外国人は最長1年、異業種での就労が可能になっており、この間に特定技能の試験に受かれば技能実習と異業種に就くことも可能です。
海外在住者を呼び寄せる
海外現地に在住する外国人の方を呼び寄せるケースになります。
この場合、呼び寄せる国によっては、現地の送り出し機関を必ず通さなければいけないなど、二国間協定の内容次第では、手続きが異なってきますので、注意が必要です。
また、渡航時の航空券や送り出し機関への手数料など、費用面に関しても国内在住者を雇用する場合よりも割高になるケースがありますので、ご注意ください。
各国在住者の雇用手続きについては、ぜひ以下の参考記事をご覧ください。
▶︎「特定技能でベトナム人を雇用するには?独自の手続きや費用がある?」
▶︎「【特定技能】インドネシア人の採用ルートや注意点、費用などをまとめて解説」
▶︎「【特定技能】ミャンマー人の採用ルートや注意点、費用などをまとめて解説」
▶︎「【特定技能】ネパール人の採用ルートや注意点、費用などをまとめて解説」
特定技能外国人の採用の流れは?
ここからは特定技能外国人を受け入れるまでの流れについてお話していきます。
特定技能外国人を雇用するには、基本的に以下7つのステップを踏むことになります。
こちらの7ステップを全て自社で行おうとすると、自社の分野に適合する試験合格者の募集、支援計画の策定、在留資格申請などの特定技能外国人特有の手続きなどがあるため、かなりの工数がかかってきます。
また、内定後は雇用契約の締結をする必要がありますが、入社後に内容や理解の相違でトラブルになるケースも多く、雇用契約書の作成には注意が必要です。
特定技能の雇用契約書の内容や注意点は「【特定技能の雇用契約書/雇用条件書】内容や締結時の注意点などをまとめて解説」をご覧ください。
一方、採用までを登録支援機関に委託することで、面接・内定以外で上記の雇用契約書も含めた各ステップにて適切なサポートを得ることが可能で、大幅な自社工数の削減と就労開始までの期間の短縮の可能性があります。
また、分野や国籍、国外から呼び寄せるか国内在住者を雇用するかによっても、手続きが異なるケースがございますので注意しましょう。
※ 建設業の場合、国土交通省から許可を得る必要があります。
※ ベトナム人の場合、ベトナム大使館から推薦者表を取得しなければなりませんし、フィリピン人の場合はPOLO・POEAへの手続きが必須です。
特定技能外国人の採用方法について、より詳しく知りたい方は「【特定技能外国人の採用方法】募集の流れから申請手続き、費用まで徹底解説」をご覧ください。
特定技能外国人の受け入れ費用はどうなっている?
「特定技能」外国人の受け入れには、ざっくりと以下3つの費用が発生します。
このように「特定技能」外国人の雇用は、紹介料や手数料から各申請の委託費や義務的支援の委託費などのサポート費用、渡航費や住居準備費用まで、様々な費用が発生します。
これは中小企業にとってはハードルが高いため、特定技能外国人の採用になかなか踏み出せない、という企業もあるでしょう。
最初は登録支援機関を積極的に活用し、特定技能外国人が増えてきたタイミングで支援業務を自社で行ったり、既存の特定技能外国人の横のつながりを使ったリファラル採用を強化するなど、受け入れ費用を抑える方法もありますので、自社にあったやり方を検討してみるのもよいでしょう。
特定技能外国人受け入れ費用に関しての詳細は「【特定技能外国人の受け入れ費用まとめ】費用相場も併せて紹介」で解説しておりますので是非ご覧ください。
特定技能に関するよくある質問(FAQ)
弊社も登録支援機関として活動している中で、よくいただく質問を2つほど解説していきます。
特定技能に関するよくある質問や回答については「【FAQ】特定技能制度のよくある質問へ登録支援機関の経営者が回答します!」に数多く取り揃えてますので、是非ご覧ください。
特定技能外国人は結局何年働けるの?
結論、特定技能1号のみ認められている産業分野に関しては、最長5年です。
ただし、「建設」と「造船・舶用工業」の2分野は、特定技能2号が認められています。
そのため、一定の条件(より高度な特定技能評価試験もしくは技能検定1級合格、工程管理の班長・監督者としての実務経験が一定以上あること)を満たすことで、在留期間の更新が認められる限り、永続的に働くことが可能です。
特定技能外国人はアルバイトすることが可能ですか?
アルバイトや副業をすることは認められておりません。
特定技能は、指定書に記載の受け入れ企業でしか就労が認められていませんので、アルバイト・副業に関してはNGとなっています。
まとめ
この記事では特定技能に関して、基本的な概要をお話してきましたが、いかがでしたか。
もし、「特定技能外国人の受け入れに興味がある」、「もっと詳しく特定技能の採用について知りたい」という方がいらっしゃいましたら、こちらのフォームからぜひお気軽にお問い合わせください。