【在留資格の代理申請】メリットや代理可能な人などをご紹介

外国人労働者を雇用する際に必要な手続き

外国人労働者を雇用するには、日本人と同様の雇用手続きに加えて、「在留資格」に関する手続きが必要になります。

海外から外国人労働者を呼び寄せる場合は、在留資格の認定に関する申請が必要ですし、既に在留している外国人労働者を転職者として受け入れる際は、在留資格の更新や変更に関する申請が必要になるわけです。

また在留資格の申請に加えて、外国人雇用状況届出の提出なども必要になってきます。

このように外国人労働者を雇用する場合、外国人特有の手続きが多くあるのです。

この記事では、その中でも在留資格に関する手続きを取り上げ、さらに在留資格の代理申請に関してもお話していきたいと思います。

なお、「在留資格」について基本的な概要を知りたい!という方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
▶︎【在留資格とは】種類や取得要件、ビザとの違いなどを簡単解説

在留資格の申請手続きとは

代理申請についてお話していく前に、まずは在留資格の申請手続きについてそれぞれ概要を確認していきましょう。

在留資格の認定申請

在留資格認定証明書交付申請の概要

一つ目にご紹介するのは在留資格の認定申請です。

正式には在留資格認定証明書交付申請と呼ばれています。

海外にいる外国人労働者を日本に呼び寄せて雇用する場合に必要な手続きとなります。 

既に在留している外国人労働者に関して行う更新や変更の申請手続きと比べ、少し複雑であり、時間がかかることも多くあります。

在留資格認定証明書交付申請に必要な書類

在留資格認定証明書交付申請には以下の書類が必要となります。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 日本での活動内容に応じた資料
  • 身元保証書・質問書(在留資格「家族滞在」などを取得する際に必要な書類)
  • 申立書(在留資格「興行」を取得する場合に必要な書類)
  • 外国人患者に係る受け入れ証明書(入院して医療を受けるために日本に在留する場合に必要な書類)

その他、在留資格別に必要な書類が別途定められています。詳細は出入国在留管理庁のこちらのページをご参照ください。

手続きの処理期間

在留資格認定証明書交付申請は基本的に1〜3ヶ月ほど、証明書が交付されるまで審査時間が掛かるケースがほとんどです。

そのため、すぐに審査が完了するわけではなく、一定の時間がかかるという点は押さえておきましょう。

在留資格の認定申請については、以下の記事でも詳しく解説していますので、より詳細情報を知りたい!という方はぜひご覧ください。
▶︎【COE/在留資格認定証明書の基本】役割から交付申請方法まで簡単解説 

在留資格の更新申請

在留期間更新許可申請の概要

続いてご紹介するのは在留資格の更新申請です。

一度在留が許可されても在留資格には在留期間が定められているため、その期間を越えて在留する必要がある場合は、その期間を更新する必要があります。

その際に必要になるのが、在留期間更新許可申請という手続きなのです。

既に雇用している外国人労働者や転職者の在留期間が迫ってきた場合に対応が必要になります。

在留期間更新許可申請に必要な書類

在留期間更新許可申請に必要な資料は以下の通りです。

  • 在留期間更新許可申請書
  • 証明写真
  • 日本での活動内容に応じた資料
  • 在留カードの提示
  • 資格外活動許可書の提示(同許可書の交付を受けている場合に限る)
  • パスポート又は在留資格証明書の提示
  • パスポート又は在留資格証明書の提示ができない場合、その理由を記載した理由書
  • 身分を証する文書などの提示(申請取次者が申請を提出する場合) 

ここでも在留資格ごとに異なる書類が必要になりますので、こちらの出入国在留管理庁のページをご確認ください。

手続きの処理期間

在留期間更新許可申請の処理期間は2週間〜1か月が標準とされています。在留資格認定証明書交付申請よりは、スムーズに許可が降りるケースが多いと言えるでしょう。

なお、在留期間更新については、以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
▶︎【在留期間更新の基本】手続きの流れや必要書類などをまとめて解説

在留資格の変更申請

在留資格変更許可申請の概要

最後にご紹介する申請手続きは、在留資格の変更申請です。

既に在留している外国人労働者が、別の活動を行うためには在留資格を変更しなければならないケースがあります。

その際に必要になるのが在留資格変更許可申請です。

留学生を新卒社員として受け入れる場合、転職者を別の職種で受け入れる場合などに必要になる手続きと言えます。

在留資格変更許可申請に必要な書類

在留資格変更許可申請には、以下の書類が必要になります。

  • 在留資格変更許可申請書
  • 証明写真
  • 日本での活動内容に応じた資料
  • 在留カードの提示
  • 資格外活動許可書の提示(同許可書の交付を受けている場合に限る)
  • パスポート又は在留資格証明書の提示
  • パスポート又は在留資格証明書の提示ができない場合、その理由を記載した理由書
  • 身分を証する文書などの提示(申請取次者が申請を提出する場合)

申請書以外は基本的に在留期間更新許可申請と同じです。

手続きの処理期間

在留資格変更許可申請には2週間〜1か月程度の時間が掛かります。 

在留資格申請は代理申請が可能

外国人労働者を雇用する場合、在留資格に関する上記3つの申請は必ず経験することになるでしょう。

これらの手続きは書類の準備や作成などに掛かる工数もあり、通常業務と並行して行うことは難しいと考える方もいらっしゃると思います。

しかし、これらの申請は一定の条件下において代理申請することが可能となっているのです。

ここからは在留資格の代理申請について詳しくお話していきます。

在留資格の代理申請を活用するメリット

まずは代理申請を活用するメリットについて確認していきましょう。

代理申請を活用するメリットには大きく以下の二つが挙げられます。

代理申請のメリット①:工数を削減

メリットとしてまず挙げられるのは工数の削減でしょう。

在留資格に関する申請を実施するには、様々な書類の準備や作成といった工数が掛かります。

代理申請を活用することで、これらの工数を削減し、外国人労働者の受け入れ体制の整備などにリソースを割くことができるでしょう。

代理申請のメリット②:許可される可能性が高い

また各申請が許可される可能性が高まるという点もメリットとして挙げられます。

後ほどご紹介しますが、代理申請は行政書士などの専門家も行うことができるため、外国人労働者本人や自社が作成するよりも不備なく申請書類を準備することができます。

そのためいずれの申請においても、許可される可能性が高くなるのです。

在留資格の代理申請ができる人

それでは具体的に代理申請ができる人について確認していきます。

代理申請が可能な人としては

  • 代理人
  • 申請取次人

の2つのパターンがあります。

それぞれ確認していきましょう。 

代理人

まず代理申請が可能な人として挙げられるのは、代理人です。

代理人になることができる人

代理人となることができるのは在留資格ごとに定められていますが、大体のケースにおいて以下の人が代理人として申請することができます。

  • 外国人労働者の配偶者
  • 外国人労働者の親族
  • 外国人労働者を雇用しようとしている企業の社員
  • 外国人労働者が所属する予定の団体の職員

代理人が対応できること

代理人は外国人労働者に代わって、在留資格の手続きに関する各種書類の作成が可能であり、代理人が作成した場合、外国人労働者本人が作成したものとして扱われます。

また作成した書類の訂正や署名、書類の受領なども可能であり、外国人労働者本人が対応すべきことの大半が代理可能となっています。

在留資格認定証明書交付申請は企業側が実施することが多いですが、これは実は代理人として代理申請していたことになります。

申請取次者

続いて申請取次者について解説します。

申請取次者になることができる人

申請取次者とは、外国人労働者本人と上記した代理人以外で各種申請を提出できる者のことです。

申請取次者には、申請取次の資格を持った行政書士や弁護士がなることができます。

申請取次の資格を得るためには、研修を受講し試験を終えた上で、出入国在留管理庁に届出を行う必要があります。また、申請取次の資格は有効期限が3年と定められており、期限が切れる前に指定の申請取次実務研修会を受講しなければなりません。そのため、申請取次者は申請業務に関して一定の知識を常に保持していることから、安心して申請業務を任せることが可能と言えるでしょう。

申請取次者が対応できること

申請取次者は外国人労働者本人に代わって、在留資格の申請に関する書類を提出することが可能です。

また、在留カードを外国人労働者本人から預かり、出入国在留管理庁に提示することや、更新許可の際の新たな在留カードを本人に代わり受領することなどもできます。

その他、在留資格の申請が不許可になった場合、出入国在留管理庁にその理由を聞きに行くことも可能となっています。

代理人と申請取次者の違い

ここまで代理人と申請取次者について見てきましたが、両者には大きな違いがあります。

代理人の場合は、先述の通り外国人労働者本人が書類を作成したものとして扱われ、且つ署名も本人が署名したことになります。

対して申請取次者の場合は、書類を作成することはできますが、署名自体は外国人労働者本人や代理人に対応してもらう必要があります。

また、提出時に書類に不備があったことが発覚した場合、その場での修正対応はできず、一旦持ち帰った上で、外国人労働者本人や代理人に対応してもらうことになるのです。

とはいえ申請取次者は、在留資格に関する豊富な知識を有しているケースが多いため、代理申請を行う場合は、申請取次者に依頼する方がスムーズと言えるでしょう。

在留資格申請以外に代理してもらえる申請

最後に在留資格申請以外に代理してもらえる申請について、いくつか一覧でご紹介しておきますので、参考にしてみてください。

まとめ

今回は在留資格に関する代理申請についてお話してきましたが、いかがでしたか。

在留資格に関する申請は外国人労働者本人が行うには難易度が高いケースもあり、雇用企業単独で行う場合でも不備が生じやすいと言えます。

そのため申請取次者などの代理申請を上手く活用することで、在留資格に関する各種申請をスムーズに進めることができるでしょう。

また当社は外国人労働者に特化した人材紹介サービスを提供しておりますので、外国人労働者の雇用に取り組みたいという方は、是非一度お気軽にお問い合わせください。

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監修者
編集
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
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