在留カードを紛失した場合の対応方法は?

そもそも在留カードとは

初めに在留カードとは何かについて、簡単におさらいしておきましょう。

在留カードとは在留資格の認定や変更、更新などの許可を得た際に、外国人に交付されるカードです。

ただし全ての外国人に対して交付されるわけではなく、中長期在留者(主に3か月以上の在留を許可された外国人)のみ交付されます。

そのため観光客などの短期滞在者に対しては交付されません。

在留カードには以下のような情報が記載されています。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 国籍・地域
  • 住居地
  • 保有する在留資格と在留期間
  • 就労可否
  • 資格外活動許可の有無 
在留カードのサンプル画像(出典:出入国在留管理庁)
出入国在留管理庁「在留カード」はどういうカード?を元にジンザイベースが作成

このように外国人に関する基本的な情報が記載されているため、本人確認資料としても活用でき、冒頭で述べた通り日本に滞在している間は常に携帯することが求められます。

常に携帯することが求められる分、紛失してしまうケースも意外と多いわけです。

なお、在留資格について基本的な内容を知りたい!という方は、以下の記事をご覧ください。
▶︎【在留資格とは】種類や取得要件、ビザとの違いなどを簡単解説

在留カードを紛失してしまった場合の対応

それでは在留カードを紛失してしまった場合のリスクや対応について確認していきましょう。

紛失してしまった場合のリスク

在留カードには先述の通り、外国人に関する個人情報が記載されています。

そのため万が一紛失してしまうと悪用されてしまうリスクが生じるのです。

なりすまし詐欺に巻き込まれたり、クレジットカードを作成されて多額の請求をされたり、といったように個人情報が悪用される例を挙げればキリがありません。

またここまで悪質な被害でなくとも、今住んでいる家に大量のチラシが届いたり、頼んでもいない商品が届いたりといったケースも考えられるでしょう。

そのため在留カードを紛失した場合、これらの被害にあわないためにも、適切な対応を取る必要があるのです。

ここから国内と日本国外で紛失した場合に分けて、それぞれ取るべき対応について確認していきましょう。 

日本国内で紛失してしまった場合

まず日本国内で在留カードを紛失した場合の対応から確認していきます。

日本国内で在留カードを紛失した場合、まずは警察署や交番まで届け出るようにしましょう。

警察に届出をすると、遺失届出証明書もしくは盗難届出証明書が発行されます。

また災害などで失った場合は、罹災証明書が発行される形になります。

それらの証明書は、後ほどご紹介する在留カードの再交付申請の際に必要となるので、無くさないように保管しておくことがポイントです。

なお在留カードは先述の通り常に携帯することが求められているので、紛失している間は代わりにパスポートを携帯しておくようにしましょう。(職務質問等された際に、在留カードを所持していないと、補導の対象となってしまいます。)

日本国外で紛失してしまった場合

続いて日本国外で在留カードを紛失してしまった場合の対応をご紹介します。

国外で在留カードを無くした場合でも警察に届け出るという対応には変わりません。

それぞれの国・地域を管轄している警察組織まで、在留カードを紛失したことを届け出ましょう。

国外の警察に紛失の届出をした場合も、名前こそ様々ですが紛失を証明する書類が発行されますので、確実に入手しておくことが重要です。

その後、日本へ再入国した後に再発行申請を行いましょう。

なおこの場合に入手している証明書はそれぞれの国の言語で記載されているため、再交付の申請を行う前に、日本語訳した分を用意することを忘れないでください。

在留カードの再交付申請とは

ここまで紛失した場合の対応についてお話してきましたが、次に紛失した後、新たに在留カードを交付してもらうための申請について確認していきたいと思います。

手続きの概要

在留資格の再交付申請とは、在留カードを紛失や盗難などで失った場合に、新たに交付を受けるために必要な手続きです。

在留カードを所持している本人(16歳未満の者は除く)は勿論のこと、以下のような人が代理で申請することができます。

  • 申請人本人と同居する16歳以上の親族
  • 申請取次の承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けた者申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
    ・申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
    ・外国人が技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体の職員
    ・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
  • 出入国在留管理庁に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けた者
  • 申請人本人の法定代理人 

在留カードの再交付申請は、その事実を知った日から14日以内に実施しなければなりません。

国外で紛失した場合は、再度入国した日から14日以内となります。

申請の流れ

在留カードの再交付申請の流れとしては、以下の通りです。

ステップ①:必要書類を準備

まずは在留カードの再交付申請に必要となる書類を準備します。

必要書類については、後ほど詳しくご紹介するので、ここでは割愛します。

ステップ②:再交付申請の実施

続いて再交付申請の実施を行います。

再交付の申請先は、自分の住居地を管轄している地方出入国在留管理官署です。

受付時間は平日の9:00~12:00、13:00~16:00となっていますが、管轄の地方出入国在留管理官署によっては対応時間が異なる可能性があるので、個別に確認しておきましょう。

なお、国外で在留カードを紛失したとしても、再入国許可(みなし含む)を取得して日本を出国した方であれば、特に特別な手続きをする必要なく、日本に再入国することが可能です。そのため、入国後は速やかに管轄の地方出入国在留管理官署へ再交付申請を実施するようにしましょう。

ステップ③:審査後、交付

申請実施後、審査が実施され、問題がなければ基本的に即日交付されます。

審査基準としては、出入国管理及び難民認定法の第19条の12に該当していることです。

仮に再交付が許可されなかったとしても、不服申立方法は設けられていませんので注意しましょう。

なお再交付に係る手数料などは必要ありません。

申請に必要な書類

在留カードの再交付申請をするには以下のような書類を準備する必要があります。

  • 在留カードの再交付申請書
  • 写真
  • 所持を失ったことを証する資料
    先に記載した遺失届出証明書、盗難届出証明書、罹災証明書など
  • 漢字氏名の併記を希望する場合、在留カード漢字氏名表記申出書
  • パスポートの提示
  • パスポートの提示ができない場合は、その理由を記載した理由書
  • 資格外活動許可書の交付を受けている場合は提示
  • 申請取次者が申請を提出する場合、身分を証する文書などの提示
  • 代理人が申請する場合、申請人との関係を証明する住民票などの資料 

詳細については、こちらの出入国在留管理庁のページをご確認ください。

申請を期限内に実施しなかった場合  

ここまで再交付申請の概要や流れなどを確認してきましたが、もし14日以内の期限内に申請を実施しなかった場合、どうなるのでしょうか。

結論としては、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科されます。

そのため基本的に紛失に気が付いたら速やかに警察に届け出た上で、再交付申請を実施しましょう。

特別永住者証明書を紛失した場合

特別永住者の外国人の方は、在留カードの代わりに特別永住者証明書を交付されています。

もし特別永住者証明書を紛失した場合は、先に説明してきた在留カードの対応時と同じく、警察に届け出る必要があります。

その上で遺失届出証明書や盗難届出証明書を発行してもらい、その他の必要書類と併せて、再交付申請を実施することが求められるのです。

特別永住者証明書の再交付申請の概要や必要書類などについては、こちらの出入国在留管理庁のページをご確認ください。

パスポートやマイナンバーカードを紛失した場合の対応

在留カードを紛失した場合の対応と関連して、パスポートやマイナンバーカードを紛失した場合の対応についても簡単に確認しておきましょう。

パスポートを紛失した場合の対応

パスポートを紛失した場合、在留カードを紛失した場合の対応と同じく、警察署や交番に届け出た上で、遺失届出証明書などの書類をもらいます。

その上で出入国在留管理庁ではなく、日本に設けられている外国人の出身国の大使館・領事館にて再交付手続きを実施しなければなりません。

ただし、国によってはパスポートの再発行の手続きをしていないケースもあるので注意してください。

マイナンバーカードを紛失した場合の対応

マイナンバーカードを紛失した場合、警察に届け出て、受理番号を控えておきましょう。

その後、管轄の市・区役所に届出を実施するとともに、マイナンバーの機能停止の手続きを実施しなければなりません。 

マイナンバーの機能停止については、以下のフリーダイヤルまで連絡することで実施可能です。(マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178)

その後、市・区役所にて再交付の手続きを実施します。

必要な書類などは、各市・区役所のWebサイトからご確認ください。

もし在留カード紛失中に在留期間更新が必要な場合の対応

最後に在留カード紛失中に在留期間更新が必要な場合の対応について、お話しておきます。

在留期間更新許可申請を実施する際、パスポート及び在留カードを提示する必要があります。 

しかし、もし在留カード紛失中に在留期間更新を実施しなければならない場合、在留カードを提示できない理由として紛失した事実や再交付申請中であることを記載した書類を、別途提出しなければなりません。

ただし在留カードは基本的に即日交付されるため、在留期間更新許可申請のスケジュールにまだ余裕があるのであれば、まず在留カードの再交付を受けてから在留期間更新の手続きを実施すればよいでしょう。

まとめ

今回は在留カードを紛失した場合の対応や、再交付を受けるための手続きまで、まとめてお話してきましたが、いかがでしたか。

在留カードは冒頭でもお話した通り、外国人の個人情報が記載されており、紛失してそのままにしておくと悪用される恐れがあります。

そのためその事実に気づいた時点で、速やかに警察や出入国在留管理庁での手続きを実施しましょう。

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監修者
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。
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