【外国人部下との付き合い方】付き合いづらい要因や注意点も併せてご紹介

外国人部下を持つ日本人上司の悩み

まずは外国人部下を持つ日本人上司によくある悩みについて、押さえておきましょう。

悩み①:指示通りに動いてくれない

まず挙げられるのは「指示通りに動いてくれない」という悩みではないでしょうか。

外国人部下との間には、後ほどご紹介するように様々な壁が存在しています。

それらの壁を理解した上で、適切な付き合い方をしていかなければ、本来聞いてくれる指示も聞いてくれず、指示通りに動いてくれないという状態になってしまうのです。

この点については、上司側が正しいコミュニケーションをとることで、ある程度解消することができるでしょう。

悩み②:プライベートが最優先である

またプライベートが最優先であるため、職場がかなり忙しい状況下でも「休まれて困る…」というシーンも多いと言えるのではないでしょうか。

日本では「家庭よりも仕事を優先する」といった価値観が根付く企業がありますが、外国人部下にそのような価値観はありません。

外国人部下の持つバックグラウンドや価値観を正しく理解するとともに、どうしても業務を優先してほしい状況にあれば、事前にしっかりと共有するといった取り組みが必要になるのです。 

外国人部下とコミュニケーションが取りづらい要因

続いて外国人部下とコミュニケーションが取りづらい要因についても解説していきます。

言語の壁

まず挙げられる要因は「言語の壁」です。

そもそも外国人部下の母国語は日本語ではありません。

日本で働く以上ある程度日本語を習得しているはずですが、まだ来日してから年数が浅い場合、ビジネスレベルでの高度なやり取りは難しいケースも多いでしょう。

日本人上司側も外国人部下に対して日本語の上達を望むだけで、コミュニケーション上の工夫を図っている方は少ないです。

こうなってくるとコミュニケーションの中核をなす言語の壁が払拭できず、スムーズなやり取りができなくなってしまうのでしょう。

この壁をクリアするためには、外国人部下だけに一方的に語学力の向上を迫るのではなく、自らも外国人部下の母国語を学ぶ、相手の日本語レベルにあわせて話すスピードや単語レベルを調整する、日本語教育等のサポートを行うなど、何かしらの対応が必要になってきます。 

価値観の壁

続いて挙げられる要因は「価値観の壁」です。

価値観の壁によって、コミュニケーションがスムーズにいかないケースは非常に多いと言えます。

育ってきた環境や文化、これまで働いてきた環境などが異なれば、価値観が異なって当然です。

このような現象は国内においても見られ、都道府県ごとに多少の価値観の違いなどがあることは皆さんもご存じの通りでしょう。

これが日本と海外となると、価値観が大きく異なるのは容易に想像ができます。

にもかかわらず日本企業における価値観を押し付けてしまうと、外国人部下との間に溝ができてしまい、上手くコミュニケーションを図ることができなくなってしまうのです。

そのため外国人部下と上手く付き合うにあたっては、まずは価値観の違いを受け入れて尊重する必要があると言えるでしょう。

文化の壁

要因の最後にご紹介するのは「文化の壁」です。

日本には独自の文化が根付いていることは疑うまでもありませんが、外国においても当然その国独自の文化が根付いています。

それは企業における文化でも同様のことが言えます。

留学生から雇用した外国人部下であれば、企業における文化は日本企業のものが基準となりますが、母国ですでに就業経験のある外国人部下であれば、母国における企業文化が基準となっているでしょう。

そういった場合、その文化の違いが大きな障害となって、外国人部下とコミュニケーションを取りづらいということがあるのです。

文化の壁も先ほどの価値観と同様、基本的には相互理解をしていくことが最初の一歩となるでしょう。 

外国人部下と付き合っていく上での注意点

続いて外国人部下と付き合っていく上で、注意すべき点について確認しておきたいと思います。

曖昧な指示や言葉で伝える

まず注意点として挙げられるのは、「曖昧な指示や言葉で伝える」という点です。

先程冒頭で外国人部下が指示通り動いてくれない、という悩みについて取り上げましたが、その現象を引き起こしている主な原因は「指示の曖昧さ」と言えます。

日本人のコミュニケーションの基本は、ハイコンテクスト文化です。

ハイコンテクスト文化では、いわゆる「空気を読む」ことが重要となっており、含みがある言い方をしたり、はっきりと明言したりしないケースが多くなっています。

当然外国人部下に対してコミュニケーションを取る際、その傾向にあることは否めません。

結果として指示が上手く伝わらず、外国人部下もどう動いていいかわからなくなるのです。

そのため外国人部下とコミュニケーションを取る場合、できるだけ5W1H等を具体的に細かく伝えるようにすることが重要になります。

また、指示を出す際には、相手の日本語レベルを考慮したスピードや単語を用いて、しっかりと伝わるようにも工夫しましょう。

人前で叱責する

人前で叱責することも意識的に控える必要があります。

日本企業においては、他の社員がいる前で叱責されたり、注意されたりすることは往々にして行われています。

しかし外国人部下に対しては、人前で叱責することはやめておく方がよいでしょう。

日本に在留する外国人労働者の過半数を占めるのは主にアジア圏内の人々ですが、アジア圏内には「人前で怒ること、怒られることは恥」とする価値観を持つ国が多くあります。

もしその外国人部下がそういった国の出身であった場合、周りの社員の前で叱責してしまえば、その部下との関係性は崩れてしまいます。

最悪の場合、退職してしまうケースも考えられるため、もし外国人部下に対して注意すべきことがあるのであれば、個室に呼び出して対応するといった工夫が必要になるでしょう。

空気を読むことを期待する

また空気を読むことを期待することにも注意が必要でしょう。

先程お話した通り、日本はハイコンテクスト文化であるため、「空気を読む」ことを期待してしまいがちです。

しかしそもそも日本の中で育ってきたわけではない外国人部下からすれば、空気を読むといった発想がないケースがあります。

ただでさえ言葉の違いによって、コミュニケーションのズレなどが生じやすい中で、さらに空気を読むことを期待するのは、外国人部下にとって相当なプレッシャーとなってしまいます。

そのため外国人部下に対しては、こちらが思っていることを察してほしいと期待するのではなく、きっちりと言葉で伝えるようにしましょう。

外国人部下との上手な付き合い方

ここまで外国人部下とコミュニケーションが取りにくい理由や注意点などをお話してきましたが、それらを踏まえて外国人部下との上手な付き合い方をまとめていきたいと思います。

外国人部下の価値観・文化を理解する

外国人部下と付き合っていく上で最も重要なのは、「外国人部下が持つ価値観や文化を理解する」ということです。

生まれ育った環境が異なる外国人である以上、自分たちと価値観や文化が異なるのは当たり前と言えます。

その違いを拒絶し、こちらの価値観や文化を押し付けるのではなく、まずその違いを受け入れて、理解していく姿勢を示すことが重要なのです。

そうすることが外国人部下と上手く付き合っていく上でのスタートラインとなるでしょう。

思い込みや偏見を捨てる

次に外国人に対する思い込みや偏見を捨てることも重要と言えます。

「そんな思い込みや偏見なんて持っていない」と言う方もいらっしゃいますが、人間にはアンコンシャスバイアス、つまり無意識の偏見というものがあるのです。

そのため自分は偏見なんて持っていないとするのではなく、どういったアンコンシャスバイアスがあるのかを把握した上で、意識的にそれらを捨てていくという取り組みが必要と言えるでしょう。

はっきりと言葉で伝える

はっきりと言葉で伝えることは、外国人部下とコミュニケーションを取る上で基本となる考え方です。

外国人部下に対して、日本人部下にするように曖昧な指示の出し方をしている上司の方も残念ながら一定数いらっしゃいます。

しかし何度も繰り返してお話してきた通り、外国人部下に対しては曖昧な伝え方や空気を読むことを求めるのではなく、はっきりと言葉で伝えなければならないのです。

重要なことは何度も繰り返して伝える

外国人部下に対してははっきりと言葉で伝えるだけでなく、何度も繰り返して伝えることも重要です。

外国人部下の日本語能力次第では、どれだけはっきりと具体的に伝えても、一度の会話で理解しきれないケースがどうしても出てきてしまいます。

そのため外国人部下の日本語能力を見極めながら、必要に応じて重要なことは何度も繰り返して伝えるというコミュニケーションが重要になってくるのです。

褒めて育てる

褒めて育てるという姿勢も外国人部下と上手く付き合う上で重要になります。

先程注意点でも述べましたが、海外では怒られることを恥と見なす価値観を持つ国が多くあります。

そのため外国人部下を育てるシーンにおいては、叱って育てるというスタンスは機能しにくいと言えます。

基本的に外国人部下に対しては褒めるというスタンスを取りながら、注意すべき点については、個室に呼び出し、冷静に伝えていくことがポイントになるのです。

笑顔を心掛ける

またシンプルですが、笑顔を心掛けるという点も、外国人部下と上手く付き合うポイントになります。

しかめっ面や無表情で接してしまうと、外国人部下は「何かよくないことを言ってしまったのか、ミスをしてしまったのか」と不安になってしまいます。

そのため外国人部下と接するシーンでは基本的には笑顔を心掛け、フレンドリーに接することが重要です。

ただし外国人部下だけに対して実施するのではなく、他の日本人部下に対しても同じように接することを忘れないでください。

飲み会などの付き合いを強要しない

外国人部下と上手く付き合う方法として最後にご紹介するのは、飲み会などの付き合いを強要しないという点です。

日本では「飲みニケーション」という言葉があるくらい、職場での飲み会や付き合いというものが根付いています。

しかし外国人労働者はワークライフバランスを重視しており、プライベートを優先することが当たり前です。

そのため職場での飲み会や付き合いを強要することは控えましょう。

だからと言って全く誘わないと蚊帳の外になってしまうので、そのあたりのバランスを取りながら付き合っていくことがポイントになります。

まとめ

今回は外国人部下と上手く付き合う方法をテーマにお話してきましたが、いかがでしたか。

これからの時代、外国人労働者を部下に持つシーンは増えてくるでしょう。

そのため日本企業で管理職に就かれている方は、外国人労働者と上手く付き合う方法や考え方を身に付けておく必要があります。

また管理職だけでなく、会社や部門全体として外国人労働者を受け入れる体制を整える必要も出てくるでしょう。

当社はこういった外国人労働者の受け入れをしていく企業様のサポートをすべく、外国人労働者のご紹介をさせていただきながら、受け入れ体制の構築支援なども実施させていただいております。

もし少しでもご興味がありましたら、お気軽にご相談ください。

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監修者
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。
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