【介護業界での外国人雇用】8カ国49名の外国人採用を全て内製化?!有料級ノウハウ大公開! | みとうメディカル株式会社様

大阪を中心に薬局、介護、保育、介護のスクールそして、食材の会社と5つの事業を展開しているみとうメディカル株式会社。創業50周年を迎えると同時に、介護事業において外国人を約50名雇用されています。

特徴的なのは、8カ国もの多国籍人材を雇用し、募集〜申請〜入社後の支援まで、外部の登録支援機関を活用せずに全て自社対応されている点です。専門職では短期離職や募集に苦戦するケースも珍しくない中、多くの人材を惹きつける上に定着率も高い同社の取り組みについて、同社人事部長の三上さん、登録支援機関業務を一手に担っている黒岩さん、ブータン人リーダーのソナムさんにお伺いしてきました。

動画形式でもお伺いしておりますので、ぜひYouTubeでもご覧ください。

15の介護施設で8カ国49名の外国人が就業中

ーー現在、みとうメディカルさんでは、何名の外国人社員を雇用されていますか?

黒岩さん:現在弊社では15施設で49名の外国人の方を採用しております。国籍は、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ブータン、ミャンマー、中国、ネパール、ハンガリーの8カ国となっています。

中村:これだけ多国籍になっていった背景って何かあったりするんですか?

三上さん:最初は、日本語学校さんからの紹介から始まったんですが、だんだんと弊社の取り組みについて、口コミで広がっていきまして。結果として、採用した外国社員がまた違う友達を紹介してくださるという流れができ、現在に至ります。

中村:なぜそんなに紹介してくれるんですか?

ソナムさん:もう日本に来て7年目になりますが、一番は社長が外国人に対してめちゃくちゃ優しいというところですね。困ったことが少しあってもすぐ助けてくれる。だから、みんな自分の友達を紹介したいと思ってるんだと思います。

ーー1番最初に、特定技能外国人を受け入れようと思ったきっかけはなんだったんですか?

黒岩さん:実は、最初の特定技能第一号は、ソナム君なんです。

ソナム君の入社当初の在留資格は「特定活動」だったんですね。弊社では、特定活動でも働くことができるのですが、より長くしっかり活躍していただきたいですし、在留期限の問題もありましたので、弊社で色々と調べるうちに特定技能を知り、初めて申請したっていうのがきっかけですかね。

以降については、特定技能と在留資格「介護」など、各個人の状況ごとに申請する在留資格を使い分けています。

中村:これ本当にすごいなと思っていて。様々な介護事業者さんとお話しすると、どこも技能実習生を使っているケースが大半なんですよね。要は、全く日本語を話せない技能実習生を大金と時間をかけて海外から呼び寄せ、結果として労務・マネジメントの負担が爆増している介護施設さんが多いと思うんですよね。

さらに追い打ちをかけるように、技能実習が終わったタイミングで、特定技能に切り替えるのと同時にみんな他社に転職していくっていうお話をめちゃくちゃ聞きます。

そんな中、傷を負わずに、近隣の日本学校や専門学校へ声掛けをした上で我々が一番提唱する特定技能外国人を採用していくっていうのは素晴らしいなと。

ーー8カ国という多国籍な採用に舵を切っていますが、これは何か意図があったんですか?

三上さん:実際どこの国にこだわってるかとかっていうことは全くなくて、周辺の学校からご紹介いただく方が、たまたまベトナム国籍であった、フィリピン国籍であったっていうだけであって、その友人が同じ国籍の仲間を紹介してくれる、それからまた別の学校が違う国籍の方を紹介してくれる。大阪外国人雇用センターのハローワークから全く違う国の外国人を紹介してくれる。

そういう繋がりで、徐々に徐々に国籍が増えていったので、こちらが意図して国籍を指定することはなかったですね。

多国籍になると、入社後が結構大変そうですが、デメリットってなかったですか?

三上さん:一つの国籍であれば、支援しやすいのかなっていう考えがあるんですけど、実際は大きなデメリットはほとんどないですね。

弊社の社長も、「特定の国に特化して採用しなさい」とかは一切ないです。来るもの拒まずという社長の大切な考えがあるので、それが社員に浸透してますね。当然私達もご紹介いただく方は全て面接した上で、どういう特性を持っていて、どれぐらいの日本語能力なのか、介護で働きたいけれども、施設系なのか、それとも通所系で働きたいのか、夜勤もやりたいとか、彼ら自身が持ってるニーズを汲み取った上で、配属先を決めていますね。

何か困ったことがあれば、私や黒岩に相談をしてくれますし、外国人社員が増えてきたタイミングで、外国人のリーダーをソナム君が買って出てくれましたので、弊社の外国人社員は、非常に風通しが良いと感じてくれていると思います。

黒岩さん:8カ国の方々が働いているので、一般的に入社後の支援が大変ではないかって思われるんですが、そういったところは特には感じてないですね。

なぜかというと、弊社ではイベントをたくさん実施して、コミュニケーション頻度を増やしているからです。

日本人、外国人関係なく奮って参加いただいていて、外国人社員だけの食事会もあったりします。そういったイベントの場で、お酒を飲みながら、「最近悩み事ないとか?」とかっていう話ができるので、問題があったとしても比較的早期発見・解決に繋げることができています。なので、そこまで国籍が増えることに対してデメリットは感じていないですね。

「お湯加減いかがですか?」日本人以上の感受性を持っている

写真_BBQ開催時の写真
イベント(BBQ)時の一コマ

ーーコミュニケーションを取る時の意思疎通は日本語で問題ないんですか?

三上さん:面接の時にはN4以上の方を対象にするなどという、一定の採用基準はあります。また、1人1台ポケトークを持たせていますので、入社後にちょっと言葉が通じにくいなと感じる場面があったら、通訳機器を通じて伝えています。

黒岩さん:加えて、ソナム君は英語含めて5か国語話せるので、外国人リーダーに集約して通訳や相談に乗ってもらったりしていますね。

ソナムさん:そうですね、現場で日本語が通じない時は、ネパール人の方であればネパール語で、インド人の方であればインド語、それ以外の方は英語などを活用して、コミュニケーションしています。

ーー利用者さんからのフィードバックはどうですか?

三上さん:これもたまたまソナム君なんですが、利用者のご家族様が見学に来られた際に、ソナム君が利用者様の入浴介助をしてもらったんです。

浴槽に浸かっている利用者様に、ソナム君が「お湯加減いかがですか?」と一言声をかけたんです。

これって日常の一風景なんですが、利用者のご家族さんからすると、自分たちがお風呂で、ご両親の入浴介助をしている際に、お湯加減を聞いたこともないのに、ましてや介護のスタッフが、さらに外国人が、自分の親に声かけをしてくれる。そんな一風景に「すごく感動しました」っていうお手紙をいただいたことがありましたね。

こういった出来事からも、もしかしたら日本人よりも優れた感受性で利用者様に接してくれてるのかなって思わせられましたね。

コミュニケーション頻度を増やすことが、インクルージョンに繋がる

写真_社内イベント一覧
多数のイベントを企画・実施されている

ーー初めて外国人雇用に取り組む際には、社内から抵抗はあったりしませんでしたか?

三上さん:一番初めに入社してくれた方は、ミャンマーの大学院卒の方だったんですね。その方は現在介護福祉士として介護ビザで活躍されてます。既にご家族も日本で生活していて、彼自身が日本人のスタッフに与える影響、そして利用者さんに与える影響がすごく自然に良かったんだと思うんです。

外国人雇用に、もしかしたら抵抗を抱いた方が、中にはいらっしゃったかもしれません。

でも、その声が大きくならないぐらい、もしくは、メリットの方が大きいんじゃないかという気づきがあったから、今の約50名もの外国人雇用に繋がってるんじゃないかと思っています。

ーー募集の際に工夫をしているポイントはありますか?

三上さん:例えば、ハローワークの募集っていうのは数多くの会社が出してると思います。もちろん当社も募集を出していますが、求人票の一言一句全て、元々規定されたものから、全て書き直しています。

できるだけ仕事内容でも箇条書きにならず、仕事というよりは、その職務に対してプロ意識を持っていただきたい、そういう観点で募集してますよっていう、会社のスタンスが伝わる書き方をするようには心がけていますね。

また、数多くの求人から弊社に目を留めてくださったことに対して、少しでも感謝をしたいなと思っています。なので、面接に来てくださったら、お越しいただいてることに関してまずお礼を言うところからスタートしています。こういう採用する側の姿勢、会社の姿勢が、候補者にもしっかりと伝わっているんじゃないかと思っています。

中村:先ほど話にもあったように、各個人のニーズを掴んで、数多ある部署や期待する役割をしっかりと突き合わせていく。こういった、相手をプロとして捉えた上でコミュニケーションを進めていくっていうところも一つ要因として挙げられるのかなというふうに思います。

ーー人材の定着に関して何か取り組まれていることはありますか?

三上さん:強いて言うならば、私達としては先ほども紹介させていただいたように、社内イベントや勉強会、研修会が非常に多い会社です。

例を挙げると、BBQを企画したり、フットサルチームがあったり、釣りクラブがあったり、スキー旅行があったり、ネスタリゾートへの研修旅行があったり。

外部の研修を含めて、様々な機会を会社で企画し、外国人にも経験させてあげたいという、社長の思い、考えが社内浸透しているところが、定着率向上に繋がっているかもしれません。各施設長も、率先して外国人社員を社内イベントに連れてきてくれますね。

ソナムさん:会社側が色々と企画してくれても、外国人社員はなかなか恥ずかしがって参加しないというケースもあります。

なので、また別で外国人だけ参加する飲み会を企画したりします。また、お酒飲めない外国人社員もいるので、ジュースとかソフトドリンクをしっかりと準備してっていう細かい取り組み、配慮があるっていうのも、ポジティブな影響を与えていると思います。

中村:なるべくコミュニケーションの頻度を増やす、そのためのイベントを行っていく。飲み会でもいいですし、バーベキューでもいいですし、何かしら合宿研修でもいいかと思うんですけども、各店舗ごとにわかれてる人たちを、何かの機会で一堂に会して、その上で交流をしていく。まさにダイバーシティ&インクルージョンを行っていくっていうのは非常に参考になりますね。

外国人の採用に、まずは一歩踏み出してみる

写真_みとうメディカル様との記念撮影

ーー逆に、「ここは気をつけたほうがいい」と言うことがあれば教えていただけますか?

黒岩さん:正直、外国人の方が気になるところは、お金の部分だと思うんですよね。やっぱりすごく細かく、日本人以上に見られる方が多いかなという印象です。

例えば、面接される方とかでも求人票を持ってこられて、「〇〇手当はつきますか?」というような形で、一つずつ手当について確認してこられることもあります。こういう条件面のところは面接の際に細かく、齟齬がないように説明するようにはしています。

やはり、繰り返しにはなりますが、お金の部分はめちゃくちゃ敏感だと思いますので。

三上さん:給与面で言うと、「この人はよくできるから」とか、「この人はどこどこの国だから」という、個人的な感情を入れないっていうことも大切かなと思います。

例えば、特定技能1号で、なおかつ主任者の資格を持っているのであれば、この時給です、介護福祉士資格を取れば手当がつきます、住宅手当や家族手当の支給条件は〇〇ですよっていうことがしっかりと明確に説明できれば、本人自身は納得してくれます。

条件・給与面があやふやだと、こちらも何か騙してる気分になるし、相手からしても、外国人だからちゃんと給料を査定してもらってないんだろうか、みたいな疑いを抱くことになるので、面接のときにしっかりと説明をすれば、特に外国人の方を採用するデメリットは一切ないと思います。

ーー最後に、外国人雇用をご検討中の介護事業者様に一言お願いできますか?

三上さん:今介護業界が直面している問題としてはやはり、人材不足だと思います。日本人は当然集まりにくいですし、一方で、外国人の採用にはまだ着手されてない会社もたくさんいらっしゃると思います。ただ、外国人の採用に、まずは一歩踏み出していただければなというふうに思っています。

はるかに心が豊かで、そして私たち日本人と同じか、むしろ上回るような感受性を持っていらっしゃる外国人の方も多数おられます。

一緒に働いてみて不便なことっていうのは多少あります。でも日本人しかいない職場であったとしても、必ず出くわすものだと思います。

私達が仕事をしている上で、彼ら彼女たちの働く姿を見て心を打たれたり、自分の行動を改めて見直す機会になったりもしますので、ぜひ外国人の採用に勇気を持って、会社として取り組まれるのが良いと思います。

私達は全てのノウハウをお伝えできると思いますので、拙いその経験の中から、皆様にアドバイスさせていただけることもあると思いますので、ぜひそういったお問い合わせであれば、いつでも気軽に連絡いただければと思います。

ーーありがとうございました!

編集後記

今回は、大阪で介護施設を中心に展開されているみとうメディカル株式会社様にお伺いしてきました。8カ国の多国籍人材を全て自社で支援されていると言う滅多に聞かない事例ですが、介護施設における外国人雇用の取り組み事例はかなり学びがあるのではないでしょうか?

三上さんもお伝えしている通り、外国人採用について検討中だがまだ一歩を踏み出せていないという企業様は、ぜひお問い合わせください!

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監修者
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。
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