創業40年を迎え、本場焼肉店を展開する「白雲台」。現在、大阪梅田グランフロント・伊丹空港の2店舗にて、インドネシア人及びミャンマー人の特定技能外国人を雇用いただいております。
今回は、グランフロント大阪店にお伺いし、呉社長へ特定技能外国人を雇用するに至った背景についてお伺いしてきました。外国人雇用をご検討されている企業様は、ぜひご覧ください。
なお、本インタビューについては、YouTubeでもご覧いただけますので、ぜひ以下の動画も合わせてご覧ください。
日本人より一生懸命で、しっかりしている
ーー呉社長及び貴社の概要についてお伺いできますか?
呉社長:
私は、1970年生まれの54歳で、父が韓国、母が宇和島(大阪)出身です。5歳から店を手伝って、7歳から包丁を持って調理作業と学業を両方こなしてました。20歳で留学を経験してからは、家を手伝うようになり、42歳のときに親から独立した感じですね。
今は焼肉業態でグランフロント大阪と伊丹空港内に出店し、EC事業(お肉の加工・出荷)も手がけています。
中村:
社員の方は、パートとアルバイト含めてどれぐらいいらっしゃいますか?
呉社長:
60人ぐらいですかね。
中村:
率直になんですけど、なぜ今回外国人の雇用を決断されたんですか。
呉社長:
僕、海外に住んでいた経験があるんですよ。特に東南アジアの子ってすごく、なんていうか優しいんですよ。ちっちゃい子供にも声かけてくれて、年寄りにも優しかったり、なんやかんや言いながら、今の日本人よりは一生懸命ですしね。
中村:
今の日本の若者ですね。
呉社長:
語弊があったらあかんですけども、一部すごい子がいますけども、平均的に、やっぱり外国人の子の方がしっかりしています。
中村:
今回、インタビューさせていただく企業様が、今日で二社目なんですけども、一社目の社長も全く同じ話をされていました。
ーー今回、特定技能の採用に踏み切るにあたって、不安なことはありましたか。
呉社長:
不安と言えばやっぱもちろんね、言葉とかもありますし、どれぐらい仕事ができるのかっていうのはまだわからないじゃないですか。
一方で、相手も然りだと思うんですよ。特に今回の内定者は女性で、娘さんを預かる形になるので、親御さんは「どこで働くねん」と思っている気がするんですよね。そこは僕らが不安のないようにしてあげなきゃいけないので、いい環境を整えた上でしっかり仕事をやってもらえたらなと思っています。
中村:
外国人が入りますよってなったときに、他の社員の方、現場の方がざわついたりというか、抵抗というか、みたいなことは特にはないですか。
呉社長:
あるかもしれないけど、人手不足で困っているので、そんなの関係ないですからね。
中村:
でも大阪みたいな、これだけの大都市だったら、もう結構外国人雇用は当たり前だと思うんですよね。社長の周りの同業他社さんで、外国人雇用に取り組まれている会社さんっていらっしゃいますか?
呉社長:
大体みんな雇用してますね。ネットワークが強いので、ベトナムの子がいたらベトナム人ばっかりで、インドネシア人がいたらインドネシアみたいな感じで、いっぱい雇っていらっしゃいますね。
ーー日本人雇用は苦戦していらっしゃいますか?
呉社長:
苦戦していますし、正直、さっきも言いましたようにあんまり思った人材に出会わないですね。
中村:
来るけどレベルが低いのか、そもそも来ないのか、たまに来たとしても全然(能力が)低いのかみたいなところはどうですか?
呉社長:
全部ですね。
中村:
なるほど。。最悪な状況ですね。アルバイトも同じですか。
呉社長:
アルバイトはめっちゃきますが、社員は全然駄目ですね。
中村:
どんな媒体を使って募集されたんですか。
呉社長:
大体アルバイトはバイトルさんですね。社員はハローワークとかマイナビさんとか。社員の方は、応募数は悪くはないですけど、あまり思った人材に出会わないんですよね。
中村:
となると外国人雇用自体は今回、社員としては初めてなんですかね。
呉社長:
留学生のアルバイトなどを雇用していたことはありますね。ただ、特定技能という形での雇用は今回初になります。
採用した後に、いかに定着させられるかがカギ
ーー面接から申請までのプロセスの中で、どんな感想をお持ちですか?
呉社長:
いや、特に問題はないです。いつ特定技能のビザが出るかわかればいいですが、入管の話なんでね。それがわかれば一番いいんですけど、それ以外は全然問題ないですよ。特に僕は何か動いたわけでもないですし、それはありがたいです。
中村:
スピード感とかはいかがでしょうか?結構早かったですか?
呉社長:
早いと思います。求人依頼して、約1週間後に8名も紹介いただいたので、かなりのスピード感だったと思います。
ただ、日本語については、ちょっと苦戦するなと正直思いました。やっぱり英語が通じるのかなというのはまずありましたし、僕はミャンマー語を覚えられないですしね。
中村:
そうですね、めちゃくちゃ難しいですね。ミャンマー語はほぼ記号ですもんね。
呉社長:
何書いてんのか、何言うてんのか、それがちょっとコミュニケーションで、お互いが大変になるのかなというのはあります。
ーー外国人雇用されてきた中で、意外だったこと、がっかりしたことは何かありますか?
呉社長:
僕も結構外国の方と接触があったんで、実際に経験したこともありますが、悪いように言えば情はないというか、お金のいいところばっかりに行ってしまう傾向があると思うんですね。
なので、採用した後に、いかに定着させるのかっていうところは、報酬体系含めてよく検討しないといけないと思いますね。
中村:
確かにそこはありますね。
今は特定技能2号という在留資格が新しくできました。1号は(滞在期間が)5年なんですが、2号になると無期限になるんです。かつ家族も呼べるようになります。
本来、大卒が対象となる「技術・人文知識・国際業務ビザ」などじゃないと、好待遇にはならないんです。そこが、今回外食においても、認められるようになりました。
どうやったらなれるかという部分ですが、N3合格と特定技能2号試験(外食)の突破、あとは副店長レベルぐらいの実務経験があれば、2号に移行ができるようになるんですよ。
今回ご紹介させていただいた方々も、お互いが本当に合意形成ができていて、外国人側は努力が必要になるんですけど、この努力さえくぐりぬけた上であれば、一生涯働いていけるパートナーになり得るんです。
呉社長:
それはすごいですね。
中村:
もっと言うと、特定技能1号の間は10項目の義務的支援があります。この義務的支援を弊社のような登録支援機関へ委託する限り、ランニングコストがかかってしまいますが、2号になるとこの義務がなくなります。となると、コストも安くなる。
呉社長:
なるほどですね。
中村:
なので、定着してもらうことは大事ですし、一方で、「育てていく」みたいな気持ちを持って接していけば、特定技能2号になりやすくなります。2号を取得すれば一生働けますし、雇用する上でのコストも抑えていくこともできる、いい側面もあったりするんです。
ただ一方で、特定技能2号のレベル感になっていくと、人材の市場価値が上がるので、いろいろな飲食店からも求められてしまって、誘惑が多くなるかもしれません。なので、呉社長のおっしゃる通り、一定の評価はしっかりと下していくということが流出を防ぐことになってくると思いますが、そういう良い面と悪い面というのが、今後は起きてくるっていうところを想定した上で活用していくといいのかなと思います。
呉社長:
長期的に働いてもらえるための環境づくりが、やはり大事ってことですね。
ーーありがとうございました。
編集後記
今回は、白雲台呉社長に外国人雇用をテーマにお伺いしてきました。インタビューにもありましたが、日本人よりも優秀であるという評価を頂戴しつつも、他企業へ情もなく転職されるケースもあり、単に採用だけではなく、入社後の受け入れ体制の構築も重要度を増していると感じております。もし、外国人雇用をご検討中の企業様がいらっしゃいましたら、ぜひ以下よりお問い合わせください。