在留資格ってなに?ビザとの違いや取得方法、29種類まとめて解説!

この記事では、外国人を初めて雇用される事業者様に向けて、在留資格の種類や取得要件、ビザとの違いなどについて解説していきます。取得手続きについても解説していますので、在留資格の基本を押さえておきたい方は是非最後までお読みください。

なお、YouTubeでも解説動画をアップロードしていますので、ぜひ併せてご覧ください! 【ゼロからわかる】在留資格の基本から3つの注意ポイントまで解説!

在留資格とは?

初めに在留資格の概要について確認していきましょう。

在留資格ってそもそもなに?

在留資格とは、「外国人が日本に在留し、何かしらの活動を行うために必要となる資格」のことを指します。この在留資格は、日本に入国する前に、出入国在留管理庁へ必要書類を準備・提出・審査を経ることで取得可能です。「出入国管理及び難民認定法」によって定められており、活動の種類によって29の在留資格が存在しています。在留資格ごとに就労の可否、また可能であったとしても、従事可能な業務内容が細かく制限されていたりします。そのため、事業者様が外国人を雇用する際は、以下の点を雇用契約締結前に確認しておくべきと言えます。(雇用予定の外国人に従事してもらう予定の業務と在留資格で認められた活動内容が合致していない場合、残念ながら雇用することはできません。)

  • 雇用予定の外国人がどの在留資格を有しているか
  • その在留資格では就労が可能か
  • 就労可能な場合、在留資格で許可された活動内容と従事予定業務が一致しているか

また、法改正が加わると、新たな在留資格が追加される場合もあります。

直近だと、2019年4月に深刻な人手不足を解消する目的で、在留資格「特定技能」が新たに創設されました。

特定技能は、特定の産業において必要な一定の技能を有する外国人に対し、就労を認めるものであり、単純労働も可能です。

▶︎特定技能ガイドブック - 基礎知識をわかりやすく図解で整理 -

もし、この在留資格を保有していない外国人が日本に滞在している場合、不法滞在に該当し、取り締まりの対象となります。刑事処分として3年以下の懲役や禁固、300万円以下の罰金が科される上、行政処分として強制送還や国外追放されることになってしまいます。

したがって、外国人を雇用する事業者にとって、在留資格についての正しい理解と適切な確認を行うことは非常に重要です。これにより、不必要な法的トラブルを避け、スムーズな雇用活動を実現することができます。

在留資格の確認方法 / 在留カードってなに?

それでは、日本にいる外国人がどの在留資格を有しているかはどのように確認すれば良いでしょうか? 

結論、外国人が必ず持っている「在留カード」を見ることで確認することができます。

在留カードとは、日本に滞在する外国人のうち、旅行などの短期滞在者を除く中長期在留者に対して交付されるカードで、外国人にとってはパスポート等に匹敵するほど重要なもので、外出時には常に身につけている方がほとんどです。 

在留カードには以下のような情報が記載されています。

- 氏名

- 生年月日

- 国籍・地域

- 住居地

- 在留資格と在留期間

- 就労可否  

在留カード

在留資格は上記見本の①に記載されていますのでこちらを確認しましょう。 

在留資格は上記見本の①に記載がありますのでこちらを確認しましょう。なお、在留カードに関しての詳細は「在留カードとは?確認すべきポイントや偽造在留カードとの違いを解説!」の記事も併せてご覧ください。

また、近年偽造在留カードを所持している方も増えてきています。万が一、偽造在留カードの所持者を雇用してしまった場合、雇用主が不法就労助長罪に問われてしまう可能性がありますのでご注意ください。

在留資格には有効期限がある?

この在留資格には有効期限が設けられており、これは在留期間と呼ばれます。

在留資格の種類・受け入れ機関の規模・外国人本人の素行などを勘案し、3ヶ月・1年・3年・5年の有効期限が個別に付与されており、継続して日本に在留をするには、決められたタイミングまでに出入国在留管理庁へ更新手続きを行う必要があります。

また、在留資格ごとの取得要件を満たすことができれば、他の在留資格へ変更することも可能です。

よくあるケースは、日本の大学へ留学するために、在留資格「留学」を取得した外国人学生が、就職するタイミングで在留資格「技術・人文知識・国際業務」へ変更するケースです。このように、活動内容が変わるタイミングで、別の在留資格へ変更が可能という点は押さえておきましょう。

加えて、在留資格の更新や変更の手続きは、適切なタイミングで行わないと不法滞在となるリスクがあるため、注意が必要です。さらに、在留資格の期限が切れた場合には、その資格に基づく活動が一切できなくなりますので、在留者は常に自分の資格の状態を把握しておくことが重要です。 

在留資格の取得要件は?

在留資格の取得要件は、基本的に日本国籍を取得していない方が対象になります。取得の要件は在留資格によって異なりますが、以下の6つの条件に該当してしまうと取得ができないので注意が必要です。

①法令違反で刑に処されたことがある

②麻薬などの常用者

③銃や刀剣などを不法に所持

④過去に強制退去となったことがある

⑤出国命令制度を利用して出国

⑥犯罪歴などがあり素行が悪い

在留資格を取得する際、これらの要件に関して注意深く確認する必要があります。

また、在留資格の申請には、申請者自身が必要な書類を用意することが求められます。これには、在留資格を証明するための書類や、就労先からの雇用契約書が含まれます。

正しい手続きを踏むことで、スムーズな取得が可能になります。

記事内CAT_ホワイトペーパー誘導_外国人採用のキホン

在留資格とビザ(査証)は違う?

在留資格とビザ(査証)は同じ意味で使われることが多いですが、厳密に言うと異なります。ここではその在留資格とビザ(査証)の違いについて確認します。

ざっくり説明すると、在留資格は、日本に在留することを許可する法的な資格を指し、外国人が日本で特定の活動を行うために必要なものです。

一方、ビザ(査証)は、外国人が日本に入国するための許可を示すもので、外務省が発行します。

ビザ(査証)とは?

ビザは査証とも呼ばれ、日本に入国する前に発行される入国許可証のことを指します。

海外現地にある日本の大使館や領事館が、日本に入国することを予定している外国人に発給する形になります。

ビザは先述の通り入国までに必要な許可証であり、来日後の活動について規定した資格である在留資格とは別物です。

つまり、ビザだけでは日本に滞在するには不十分であり、活動に応じた在留資格の取得を忘れずに行う必要があります。特に就労を目的とする場合には、ビザと在留資格の両方の要件を満たすことが求められます。

両者は明確に異なる概念ですので、その違いを正しく理解しておくようにしましょう。

ビザ(査証)の種類

在留資格にも種類がありますが、ビザもいくつかの種類に分かれており、来日する目的に応じたビザの取得が必須になっています。参考までに、具体的には以下の8つです。  

  • 外交査証
    在留資格「外交」を取得するためのビザ 
  • 公用査証
    在留資格「公用」を取得するためのビザ 
  • 就業査証
    在留資格「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門職」などを取得するためのビザ 
  • 一般査証
    在留資格「技能実習」や「文化活動」、「留学」や「研修」、「家族滞在」を取得するためのビザ 
  • 短期滞在者査証と通過査証
    在留資格「短期滞在」を取得するためのビザ 
  • 特定査証
    永住者を除く身分系在留資格を取得するためのビザ 
  • 医療滞在査証
    在留資格「特定活動」などを取得するためのビザ

これらのビザは、それぞれの活動目的や期間に応じて異なり、必要な書類や手続きもビザの種類によって異なります。  特に、就労を希望する場合は、必ず該当する就業査証を取得し、さらにそれに対応する在留資格を確認する必要があります。  

このように、ビザの種類が多岐にわたることに加え、それぞれに求められる要件も異なるため、来日を希望する外国人は十分な情報を収集し、適切な手続きを行うことが重要です。  正しいビザを取得することが、日本での合法的な活動を行う第一歩であり、将来的な在留資格への申請や更新においても重要な要素となるでしょう。

在留資格の種類

ここまでは在留資格の概要について触れてきましたが、ここからは、具体的にどのような在留資格があるかを見ていきます。

繰り返しになりますが、在留資格は「出入国管理及び難民認定法」によって規定されており、現在29種類が存在しております。(参考:出入国在留管理庁 在留資格一覧表

この29種類は、大きく分けて活動制限が少ない身分または地位に基づく身分系在留資格(居住資格)と、活動内容や在留期間などの制限を受ける就労系在留資格(活動資格)の2つに分けられ、以下の表の通りです。

在留資格の種類

在留資格を取得することで、外国人は日本において活動を行う権利を持ちますが、その活動には各資格に応じた条件が存在します。このため、正確な在留資格を理解し、必要な手続きを行うことが重要です。

就労制限が一切ない在留資格 | 居住資格

就労制限が一切ない在留資格は居住資格の4つです。

この在留資格を持っている外国人は、資格外活動許可なしに就労が可能となります。

日本人もしくは永住者の配偶者や子供など身分に関係するので「身分系の在留資格」とも言われています。該当例や在留期間は以下の通りです。

在留資格の居住資格

日本に来る外国人で、ずっと在留し続けたい場合は、上記通り在留期間や就労に制限がない「永住者」(永住権)の取得を望むことが多いです。

この永住権を得ることで、外国人は日本での生活基盤を安定させ、就労の自由を享受することが可能になります。また、居住資格を有することで、家族の帯同も容易になり、将来的な移住計画や生活設計がしやすくなります。そのため、多くの外国人が日本に長期的に住むためのステップとして、身分系の在留資格の取得を目指すのです。特に、日本人との結婚を通じて得る「日本人の配偶者等」や、「永住者」資格は、親族の絆を大切にしながら、日本での生活をより充実させるための重要な手段とされております。

就労が認められていない在留資格

就労が認められていない在留資格は、以下一覧表の5つとなっています。

基本的には、これらの在留資格の外国人は就労が認められておりません。しかし、資格外活動許可を取得すれば、その許可の範囲内で就労可能となります。

資格外活動許可の確認は、在留カードの裏面にある資格外活動許可もしくは指定書から確認ができますので、ぜひチェックしてみてください。

また、資格外活動の許可を得ずに就労を行った場合は、不法就労と見なされ、重大な法的問題を引き起こす可能性があります。 これは企業にとってもリスクとなりますので、雇用を考える際には十分な注意が必要です。 

就労可能な在留資格 | 就労ビザ

就労が可能な在留資格は全部で19種類あり、一般的に「就労ビザ」とも言われています。これらの在留資格を有している外国人は、定められた範囲内で就労可能です。

19種類の在留資格、該当例、該当職業、在留期間はそれぞれ以下の表の通りです。

在留資格該当例該当職業在留期間
外交外国政府の外交使節団や領事機関の構成員、条約や国際慣行により外交使節と同様の特権と免除を受ける者、または彼らと同一の世帯に属する家族の構成員としての活動外国政府の大使や公使、およびその家族「外交活動」を行う期間
公用外国政府や国際機関の公務に従事する者、または彼らと同一の世帯に属する家族の構成員としての活動外国政府の大使館や領事館の職員、およびその家族5年、3年、1年、3月、30日、15日
教授日本の大学や高等専門学校において研究、研究指導、教育をする活動大学や専門学校の教授や研究者5年、3年、1年、3月
芸術収入を伴う音楽、美術、文学などの芸術上の活動作曲家や小説家など音楽、美術、文学の仕事を従事する者5年、3年、1年、3月
宗教外国の宗教団体によって、布教や宗教上の活動布教や宗教活動を行う者5年、3年、1年、3月
報道外国の報道機関との契約に基づいて行う取材のような報道上の活動記者やカメラマン5年、3年、1年、3月
高度専門職1号:日本の公私の機関で研究、研究指導、教育をする活動、またはて自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行う活動1号:法務省令で決める基準に適合する高度人材5年
2号:1号に掲げる活動を行った者であって、その在留が日本の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う活動2号:法務省令で決める基準に適合する高度人材無期
経営・管理企業の経営や管理する活動企業の経営者や管理者5年、3年、1年、3月
法律・会計業務外国法事務弁護士や外国公認会計士など、法律上資格を有する者が法律・会計に係る業務に従事する活動弁護士や公認会計士5年、3年、1年、3月
医療医師や歯科医師など、法律上資格を有する者が医療に係る業務に従事する活動医師や歯科医師や看護師5年、3年、1年、3月
研究大学以外の公私の機関で研究を行う活動政府機関や私企業の研究者5年、3年、1年、3月
教育日本の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校で語学教育を行う活動教育機関での語学教師5年、3年、1年、3月
技術・人文知識・国際業務日本で理学、工学、自然科学の分野、または法律学、経済学、社会学などの人文科学の分野に属する技術・知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務に従事する活動通訳や技術者や私企業の語学講師など5年、3年、1年、3月
企業内転勤日本に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が、日本にある事業所に期間を定めて、転勤して当該事業所において行う「技術・人文知識・国際業務」の項に掲げる活動日本企業の海外支店から日本への転勤者5年、3年、1年、3月
介護日本で介護や介護の指導を行う業務に従事する活動介護福祉士5年、3年、1年、3月
興行演劇、演芸、演奏、スポ―ツなどの興行に係る活動や芸能活動俳優、歌手、スポーツ選手など3年、1年、6月、3月、15日
技能産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動外国料理の調理師など、産業上の特殊な分野に熟練した技能を要する業務を従事する者5年、3年、1年、3月
特定技能人材を確保することが難しい、特定産業分野において相当程度の知識・技能を要する業務に従事する活動1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人3年、1年、6月
人材を確保することが難しい、特定産業分野において熟練した技能を要する業務に従事する活動2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人法務大臣が個々に指定する期間(1年以下)
技能実習技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動1号:技能実習生の1年目法務大臣が個々に指定する期間(1年以下)
技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、技能を要する業務に従事する活動2号:技能実習1号を修了して、評価試験に合格した2・3年目の技能実習生法務大臣が個々に指定する期間(2年以下)
技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、技能を要する業務に従事する活動3号:技能実習2号を修了して、評価試験に合格した4・5年目の技能実習生法務大臣が個々に指定する期間(2年以下)

在留資格一覧 | 29種類まとめ

これまでみてきた在留資格について、ざっくりとしたカテゴリー別に分けて一覧にまとめてみました。確認する際には、ぜひこちらもご覧ください。

就労制限がない在留資格(居住資格):4種類

在留資格は、外国人が日本での生活を確保するための重要な要素です。居住資格を持つことで、外国人は日本において自由に働くことが許可され、生活基盤を安定させることができます。

4種類の居住資格には、それぞれ異なる背景や要件があります。特に、永住者資格は多くの外国人にとって目指すべき資格であり、法務大臣から永住の許可を受けることができれば、長期的に日本に滞在し続けることが可能です。

また、日本人の配偶者や永住者の配偶者なども、特定の期間にわたって日本での就労が認められます。定住者資格に該当する第三国定住難民や日系3世、中国残留邦人なども、特別な支援を受けながら、日本での住居を確保することが可能です。

このように、居住資格を持つことは、外国人が日本での生活を確立し、成功するための大きな鍵であると言えます。資格の取得や更新に関しては、事前に必要な条件や手続きを把握しておくことが重要です。

就労が認められていない在留資格:5種類

就労が認められていない在留資格:5種類

これらの在留資格は、主に学術的な活動や短期間の訪問に関連するものであり、就労に関しては原則として認められていません。就労を希望する外国人にとって、これらの在留資格を持っている場合には別途「資格外活動の許可」を取得する必要があります。この許可を受けることで、限られた範囲内での就労が可能になるため、雇用を希望する企業は、その申請手続きや条件についても十分に理解しておくことが重要です。

また、特定の職業に必要な技能や資格を取得した後に、就労ビザへ切り替えることができる道もありますが、その際には厳格な審査が行われるため、早めに対策を講じる必要があります。

就労可能な在留資格:19種類

在留資格該当例該当職業在留期間
外交外国政府の外交使節団や領事機関の構成員、条約や国際慣行により外交使節と同様の特権と免除を受ける者、または彼らと同一の世帯に属する家族の構成員としての活動外国政府の大使や公使、およびその家族「外交活動」を行う期間
公用外国政府や国際機関の公務に従事する者、または彼らと同一の世帯に属する家族の構成員としての活動外国政府の大使館や領事館の職員、およびその家族5年、3年、1年、3月、30日、15日
教授日本の大学や高等専門学校において研究、研究指導、教育をする活動大学や専門学校の教授や研究者5年、3年、1年、3月
芸術収入を伴う音楽、美術、文学などの芸術上の活動作曲家や小説家など音楽、美術、文学の仕事を従事する者5年、3年、1年、3月
宗教外国の宗教団体によって、布教や宗教上の活動布教や宗教活動を行う者5年、3年、1年、3月
報道外国の報道機関との契約に基づいて行う取材のような報道上の活動記者やカメラマン5年、3年、1年、3月
高度専門職1号:日本の公私の機関で研究、研究指導、教育をする活動、またはて自然科学や人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務に従事する活動、または経営・管理を行う活動1号:法務省令で決める基準に適合する高度人材5年
2号:1号に掲げる活動を行った者であって、その在留が日本の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う活動2号:法務省令で決める基準に適合する高度人材無期
経営・管理企業の経営や管理する活動企業の経営者や管理者5年、3年、1年、3月
法律・会計業務外国法事務弁護士や外国公認会計士など、法律上資格を有する者が法律・会計に係る業務に従事する活動弁護士や公認会計士5年、3年、1年、3月
医療医師や歯科医師など、法律上資格を有する者が医療に係る業務に従事する活動医師や歯科医師や看護師5年、3年、1年、3月
研究大学以外の公私の機関で研究を行う活動政府機関や私企業の研究者5年、3年、1年、3月
教育日本の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校で語学教育を行う活動教育機関での語学教師5年、3年、1年、3月
技術・人文知識・国際業務日本で理学、工学、自然科学の分野、または法律学、経済学、社会学などの人文科学の分野に属する技術・知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務に従事する活動通訳や技術者や私企業の語学講師など5年、3年、1年、3月
企業内転勤日本に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が、日本にある事業所に期間を定めて、転勤して当該事業所において行う「技術・人文知識・国際業務」の項に掲げる活動日本企業の海外支店から日本への転勤者5年、3年、1年、3月
介護日本で介護や介護の指導を行う業務に従事する活動介護福祉士5年、3年、1年、3月
興行演劇、演芸、演奏、スポ―ツなどの興行に係る活動や芸能活動俳優、歌手、スポーツ選手など3年、1年、6月、3月、15日
技能産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動外国料理の調理師など、産業上の特殊な分野に熟練した技能を要する業務を従事する者5年、3年、1年、3月
特定技能人材を確保することが難しい、特定産業分野において相当程度の知識・技能を要する業務に従事する活動1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人3年、1年、6月
人材を確保することが難しい、特定産業分野において熟練した技能を要する業務に従事する活動2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人法務大臣が個々に指定する期間(1年以下)
技能実習技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動1号:技能実習生の1年目法務大臣が個々に指定する期間(1年以下)
技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、技能を要する業務に従事する活動2号:技能実習1号を修了して、評価試験に合格した2・3年目の技能実習生法務大臣が個々に指定する期間(2年以下)
技能実習法上の認定を受けた技能実習計画に基づいて、技能を要する業務に従事する活動3号:技能実習2号を修了して、評価試験に合格した4・5年目の技能実習生法務大臣が個々に指定する期間(2年以下)

就労の可否が許可の内容によって変わる在留資格:1種類

就労の可否が許可の内容によって変わる在留資格

特定活動は非常に柔軟な働き方を提供するため、自らの希望に合わせて多様な業務に従事することが可能です。特定の業務を行うために必要な活動の範囲も広がり、いずれも就労の制度面において、多様性が重視されています。

特定技能と同じく、特定活動の在留資格を持つ外国人が職務を遂行する際は、所属する企業や団体のサポートも重要となります。就労可能な範囲については、具体的な活動内容に基づいて法務大臣の許可も求められるため、事前の確認が欠かせません。

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在留資格を取得するための申請手続きってどうすればいい?

ここからは在留資格を取得するための手続きに関して見ていきます。

申請手続き方法については、国外から呼び寄せる場合など1から在留資格の証明を取得する「在留資格認定証明書交付申請」、期間の更新を行う「在留期間更新許可申請」、資格の変更や切替を行う「在留資格変更許可申請」などがあり、それぞれの場合でフローや必要書類が違います。

在留資格申請は「原則、本人が行う」というルールですが、「在留資格認定証明書交付申請」のように国外にいる外国人を新たに雇う場合は、企業が代理として入国管理局で在留資格認定の申請をするのが一般的となっています。

以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

国外から外国人を呼び寄せる場合

前述の通り、国外在留者を呼び寄せる(これから日本に入国する)場合は「在留資格認定証明書交付申請」をする必要があります。

流れとしては以下のようになります。

ステップ①:在留資格認定証明書の交付申請

まずは必要書類を揃えた上で、出入国在留管理庁まで在留資格認定証明書の交付申請を実施する形になります。必要書類については取得する在留資格によっても異なってくるため、出入国在留管理庁のページなどで参照するようにしましょう。

特に、雇用契約書や申請者の履歴書、職務内容の説明書、日本における事業内容証明書など、各応募者の状況に応じた書類が必要です。また、書類に不備があると申請が遅れることもあるため、正確に準備を進めることが重要です。 

申請後は、入国管理局による審査が行われ、問題がなければ在留資格認定証明書が発行されます。 

ステップ②:在留資格認定証明書の送付

ステップ①で実施した在留資格認定証明書の申請が許可され、無事交付された後は、それを国外に居住する外国人労働者に対して送付します。

この際、証明書が発行されたら速やかに送付し、相手がビザ申請を行えるように進めることが重要です。

ステップ③:ビザ申請の実施

国外に居住する外国人労働者側が、公布された在留資格認定証明書などの必要書類を準備した上で、在外日本公館にて、ビザ申請を実施します。

ビザ申請には、申請書、証明写真、在留資格認定証明書のコピーなど、さまざまな書類が必要です。また、申請内容に不備がないかを確認することが重要で、不足している書類や誤りがある場合、ビザの発給が遅れることがあります。

申請が受理された後は、ビザの承認を待ち、承認が得られ次第、日本に入国する準備を進めます。

ステップ④:来日

在外日本公館よりビザが交付されれば、日本国内の空港にてビザと在留資格認定証明書を提示することで、来日することができます。

ステップ①の申請から出入国在留管理庁の許可・交付を受けるまで、最短で2週間〜2ヶ月程度の時間がかかります(※在留資格によって異なる)。

ただし、在留資格認定証明書交付申請の前に、別の機関から認定を受けなければならない在留資格もあります。

例えば、「技能実習」は、在留資格認定証明書交付申請の前に、外国人技能実習機構から技能実習計画の認定を受ける必要があります。こういったケースだと、申請から許可を受けるまでかなりの時間を要する場合もありますので、配属までのスケジュールは多めに見積もっておく方が良いでしょう。

また、来日前に必要な手続きや書類を整えることも大切です。 

日本に到着したら、在留カードの交付を受けるために入国管理局での手続きが必要になります。このカードは、在留資格や在留期間を証明する重要な書類であり、常に携帯しておく必要があります。

以上のプロセスを経て、外国人労働者は無事に来日し、仕事を開始することができるようになります。 

すでに日本にいる外国人が別の在留資格へ変更する場合

すでに日本に在留している外国人の方が他の在留資格に変更する際に実施する申請は「在留資格変更許可申請」で、以下のような流れになります。

ステップ①:書類の準備

必要書類を外国人労働者本人、もしくは企業側で準備します。必要書類については、在留資格によって異なってきますので、出入国在留管理庁のページからご確認をお願いいたします。

特に、就労系の在留資格の場合は、雇用契約書や職務内容の説明書に加え、申請者の履歴書や資格証明書などが必要となることが多いため、これらも含めてしっかりと準備しておくことが重要です。

ステップ②:出入国在留管理庁にて申請を実施

その後必要書類を持参し、出入国在留管理庁にて在留資格変更許可申請を実施します。

在留資格変更許可申請はおおよそ2週間から1か月程度掛かりますので、申請中に在留期間が切れることがないようにスケジュールを管理しましょう。

この期間中は、申請者が現在の在留資格の有効性を維持することで、合法的に日本に滞在し続けることが重要です。

ステップ③:在留資格の変更が完了

審査が無事通れば、収入印紙にて4,000円を納付し、在留資格変更の手続きが完了となります。

これにより、外国人労働者は日本での新たな業務に従事できるようになります。

新しい在留資格に変更された場合でも、在留カードには変更された内容が反映されるため、雇用主や関係機関に最新の情報を提供することが求められます。

在留期間を更新する場合

既にいずれかの在留資格で在留している外国人の方が、他の在留資格に変更することなく、在留期間を更新するには「在留期間更新許可申請」を実施します。

申請の流れは、「在留資格変更許可申請」と同じ流れになります。必要書類も出入国在留管理庁のHPをご覧ください。

在留資格取得許可申請

日本国籍を離脱したり、日本で出産をした場合など、日本にいながら在留資格を新たに取得する際に必要な申請となっています。

こちらの申請の流れも「在留資格変更許可申請」とほぼ同じ流れになります。また、必要書類は出入国在留管理庁のHPをご覧ください。

申請が認められない / 在留資格が取り消されるケースも?!

在留資格申請が認められない理由はいくつかあります。在留資格申請が認められないケースや、一度取得した在留資格が取り消されるケースについてお話します。

技術・人文知識・国際業務は不許可になる事例も。。

在留資格のひとつである「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は就労可能な在留資格として最もポピュラーですが、認められる業務範囲には制限があります。

認められる業務範囲は原則として、外国人がこれまで学んできた知識や仕事で培ってきた経験、母国の文化や言語に関する知識と関連性のある業務とされており、業務内容がこれらに該当しない、関連性がないと判断された場合、不許可になってしまいます。

また、「技術もしくは知識を要する業務であること」も条件とされており、技術や知識が不要とされる単純労働は業務として認められていません。 例えば、飲食店の現場、ホテルのベットメイキングやレストランの配膳業務は単純労働とされるので不許可になります。

このように、技術・人文知識・国際業務の資格申請を行う際には、業務内容が必ず条件を満たしていることを確認することが必要です。この資格を希望する外国人は、事前に自分の業務が関連性のある活動かどうかを確認し、適切な業務内容であることを示す必要があります。 

虚偽の内容を記載するなどによって許可を受けた場合

在留資格取得の要件を満たすために、学歴や経歴訴訟などの虚偽の内容で申請をし許可を受けたのちにそれらが発覚すれば、入管法第22条の4にもとづき在留資格の取り消しになります。

在留資格に基づく活動を一定期間行っていない場合

就労系在留資格であれば、仕事を辞めてから正当な理由なく就労していない期間が3か月以上あった場合、在留資格が取り消されてしまいます。

このため、外国人は何らかの理由で仕事を辞めた場合や職を探している期間中に、積極的に次の雇用先を見つける努力をすることが求められます。

また、在留資格の維持を行うために、就職活動を行っていることを証明する書類を用意することや、定期的に在留管理局に相談することも有効な手段です。

中長期在留者が居住地の届出を行わない、もしくは虚偽の届出をした場合

中長期在留者となった外国人が、90日以内に法務大臣に対して住居地の届出をしない場合、あるいは虚偽の住居地の届出をした場合は、取り消し対象となります。(ただし、届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除きます。)

在留資格を受け取った後も、業務内容次第で取り消し対象へ

前述のような虚偽でなくても、在留資格を取得した後に、業務内容次第で資格の取り消しや、在留期間更新の際に不許可の対象になる可能性もあります。

例えば、研修で単純労働にあたる業務をする場合などは注意が必要です。

出入国在留管理庁が公表している資料では、

  • 企業における研修の一環で単純労働業務に従事するのは採用当初の時期に留まる場合には許容される
  • このようなケースに該当する場合、当該企業に雇用される従業員(日本人を含む)の入社後のキャリアステップや各段階における具体的な職務内容と当該研修の内容との関係等に係る資料の提出をお願いすることがある
  • こうした場合に当該業務を行ったとしても、入管法上直ちに問題とされるものではないが、結果的にこうした業務が在留における主たる活動になっていることが判明したような場合には、在留期間更新を不許可とする等の措置がとられる可能性がある

と明示されております。

研修の一環と言えど、外国人だからといって日本人社員と比べて長期間の単純労働をさせたり、単純労働の期間が在留期間の大半にあたる場合は認められておりません。

最悪の場合、不法就労助長罪に問われる可能性もあるため、研修等で一定期間の単純労働を課す場合は、あらかじめ出入国在留管理庁に研修予定表を提出しておくことをおすすめします。

まとめ

今回は在留資格について基本的な内容からビザとの違い、取得の手続きまでまとめて解説してきましたが、いかがでしたか。

在留資格は様々な種類があるため、採用しようとしている職種にはどの在留資格が該当するのか正直よくわからないというケースもあるでしょう。特に、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザは人気ですが、その内容や条件を正確に理解しておくことが重要です。例えば、この在留資格を取得するためには、関連する業務内容や必要な技術・知識が求められるため、不適切な業務に従事すると在留資格が取り消されるリスクもあります。

当社はそういったお悩みを抱えておられる企業様に対して、在留資格申請のサポートなどを実施しつつ、外国人労働者の人材紹介サービスを提供しております。特に、複雑な在留資格の申請や変更手続きも専門家によるサポートを通じてスムーズに進めることができます。

少しでもご興味ありましたら、是非お気軽にご相談ください。

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監修者
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
編集
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
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