【就労資格証明書とは】メリットや交付申請の方法を簡単解説

就労資格証明書とは

まずは就労資格証明書の概要から押さえておきましょう。

就労資格証明書の概要

就労資格証明書とは、日本に在留する外国人労働者からの申請に基づき、当該外国人が行うことができる収入を伴う事業を運営する活動、又は報酬を受ける活動を法務大臣が証明する文書となります。

簡単に言えば、申請人である外国人労働者が日本で就業可能な仕事内容を、法務大臣が証明する文書です。

就労資格証明書は、日本で働く上で必ずしも必要な書類ではなく、申請自体が任意によるものになっています。

就労資格証明書が必要になるケース

それではどのような場合に、就労資格証明書が必要になるのでしょうか。

就労資格証明書は先述の通り、外国人労働者が日本で就業可能な仕事内容を証明する文書であるため、転職において大いに役に立つのです。 

企業側から見た就労資格証明書の意義としては、外国人労働者が本当に採用予定のポジションに就くことができるかを確認できるという点が挙げられます。

外国人労働者側から見れば、自分が就労できる在留資格を有していることを企業側に明らかにできるというわけです。 

就労資格証明書のメリットとデメリット

続いて就労資格証明書のメリットとデメリットについて確認しておきましょう。

メリット

まずはメリットから見ていきましょう。

企業側のメリット

企業側のメリットとしては、先程挙げた通り、外国人労働者が自社で採用予定の業務内容に従事できるのかを把握しやすくなる点が挙げられます。

就労資格証明書がない場合、入管法にて自社の採用予定の業務に該当する在留資格がどれになるのかを事前に確認した上で、外国人労働者が本当にその在留資格に該当するのかを見極める必要があります。 

その点就労資格証明書があれば、自社で本当に採用することができるのかを容易に確認することができ、採用に係る工数も削減することができるでしょう。

また不法就労者を雇用してしまうリスクを下げることも可能です。

不法就労については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご確認ください。
▶︎【不法就労助長罪とは】成立要件や防止方法などをわかりやすく解説

外国人労働者側のメリット

外国人労働者側のメリットとしては、自分が日本で従事できる仕事を企業側に証明できることの他に、転職後の在留期間更新をスムーズにできるという点が挙げられます。

転職後に就労資格証明書を取得することなく、在留期間更新許可申請を行う場合、申請に必要な書類が多く、手続きも煩雑になります。

対して就労資格証明書を取得しておけば、在留期間更新許可申請に必要な書類も少なくなり、手続き自体の難易度も下がるため、在留資格更新許可も得やすくなると言えるでしょう。

在留期間の更新申請については、こちらの記事で基本的な事項について解説しています。
▶︎【在留期間更新の基本】手続きの流れや必要書類などをまとめて解説

デメリット

就労資格証明書を取得することで発生するデメリットについても、併せて確認しておきます。

デメリット①:申請工数が掛かる

まず挙げられるのは申請工数が掛かるという点です。

就労資格証明書を交付してもらうには、必要書類を準備した上で、出入国在留管理庁まで申請を実施しなければなりません。

そのため書類の準備に時間が掛かることは勿論、申請すること自体の工数も掛かってくることになるのです。

デメリット②:手数料が掛かる

また手数料が掛かるという点も注意が必要です。

就労資格証明書の交付を受けるには、収入印紙にて1,200円の納付が求められます。

大きな金額ではありませんが、手数料がかからない手続きがあることも踏まえると、デメリットと言えるでしょう。

就労資格証明書の交付申請方法

ここからは就労資格証明書の交付申請方法についてご紹介していきます。 

交付申請における審査基準

まず就労証明書交付申請における審査基準について確認してみましょう。

出入国在留管理庁によると、以下の3点が審査基準として挙げられています。

  1. 出入国管理及び難民認定法別表第一に定める在留資格のうち、就労することができる在留資格を有していること
  2. 就労することができない在留資格を有している者で、資格外活動許可を受けていること
  3. 就労することに制限のない在留資格を有していること

これらのうちいずれかに当てはまれば、基本的に就労資格証明書は取得することが可能となっているのです。 

交付申請の流れ

就労資格証明書交付申請の流れは以下のようになります。 

ステップ①:必要書類の準備

まずは就労資格証明書交付申請に必要な書類を準備します。

必要な書類については、後ほど詳しく解説します。

ステップ②:出入国在留管理庁にて申請を実施

必要書類が準備できれば、出入国在留管理庁にて就労資格証明書交付申請を実施します。

申請自体は外国人労働者本人だけでなく、以下のような人も申請が可能です。

  • 申請取次の承認を受けた当該外国人が所属する機関や団体の職員
  • 申請取次の承認を受けた弁護士、行政書士
  • 申請取次の承認を受けた外国人の受け入れをサポートする公益法人の職員
  • 当該外国人の法定代理人

ステップ③:審査後、交付

審査が無事通れば、交付されることになります。

交付時は収入印紙にて1,200円納付しなければなりません。

基本的に申請当日に交付されることになりますが、転職を伴う場合などは、1~3か月程度掛かるケースがあります。

交付申請に必要な書類

就労資格証明書交付申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 就労資格証明書交付申請書
  • 資格外活動許可書の提示(同許可書の交付を受けている場合に限る)
  • 在留カードもしくは外国人登録証明書の提示(特別永住者は特別永住者証明書)
  • パスポートまたは在留資格証明書を提示
  • パスポートまたは在留資格証明書が提示できない場合、その理由を記載した理由書
  • 申請取次人が申請を提出する場合、身分を証明する文書 

詳細はこちらの出入国在留管理庁のページをご確認ください。 

交付申請における注意点

就労資格証明書交付申請に関する注意点として挙げられるのは、在留期限が迫っている場合には申請ができないという点です。

転職をした後の就労資格証明書の交付申請は、処理期間として数か月掛かることになります。 

そのため在留期限が目前に迫っている状況下で申請しても、在留中に間に合わない可能性があるのです。

そういったケースでは就労資格証明書を含めずに、在留期間更新許可申請をしなければなりません。 

就労資格証明書交付申請はオンラインによる申請も可能

最後に就労資格証明書交付申請のオンライン申請についても確認しておきましょう。

オンライン申請とは

昨今、在留資格に関する申請はオンラインでも実施が可能となっており、就労資格証明書交付申請も対象に含まれています。

オンライン申請は外国人本人だけではなく、当該外国人から依頼を受けた者がオンライン上で手続きを実施できる仕組みとなっており、具体的には以下のような人が利用可能です。

  • 外国人の所属機関の職員
  • 所属機関の職員から依頼を受けた弁護士・行政書士
  • 所属機関の職員から依頼を受けた公益法人の職員
  • 所属機関の職員から依頼を受けた登録支援機関の職員
  • 外国人の法定代理人
  • 配偶者や子などの親族

またオンライン申請を利用するメリットとして

  • 出入国在留管理庁まで出向く必要がなく、自宅やオフィスなどで申請可能
  • 受付時間を気にする必要がなく、24時間利用可能
  • オンライン申請を実施するにあたって承認を得る必要があるものの、無料で利用可能

といった点が挙げられます。

オンライン申請については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶︎【在留資格のオンライン申請】概要や利用方法などをまとめて解説

オンラインで就労資格証明書交付申請行うには

就労資格証明書交付申請をオンライン申請で行うには、利用申出が必要です。

詳細は次項で解説しますが、基本的に利用申出を行えばすぐに、オンラインによる就労資格証明書交付申請を行うことができます。 

オンライン申請の利用方法

オンライン申請の流れとしては以下のようになります。 

ステップ①:利用申出の実施

まずはオンライン申請の利用申出を行いましょう。

利用申出に当たっては

  • 在留申請オンラインシステム利用申出書
  • 本人確認資料の写し
  • 誓約書
  • 在職証明書
  • 所属機関からの依頼書(弁護士などが対応する場合)

といった書類を準備する必要があります。

必要書類についてより詳細を知りたい方は、こちらの出入国在留管理庁のページからご確認ください。 

これらの資料が準備できれば、出入国在留管理庁まで直接または郵送にて申出を行います。

ステップ②:オンラインでの申請

利用申出が承認されれば、在留申請オンラインシステムを利用できます。

利用申出の際に取得したIDとパスワードでログイン後、申請情報を入力し、必要書類を添付することで申請を行う形になります。

具体的な操作方法については、こちらの出入国在留管理庁のページから操作マニュアルをご参照ください。

ステップ③:結果通知

申請の審査終了後、審査結果がメールで通知されます。

許可された場合は、手数料納付書などの必要書類を添付することになります。 

オンライン申請の利用条件

オンライン申請を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 申請等取次者の承認要件を満たしていること
  • 外国人の受入れの開始、終了等の届出を行っていること
  • 外国人雇用状況届出を行わなければならない事業主においては、同届出を行っていること(所属機関のみ)
  • 誓約書の提出があること
  • 経営状況、財務状況等の観点から、安定的・継続的に事業が運営されていることが認められること(所属機関のみ)

より詳しい内容はこちらの出入国在留管理庁の資料をご確認ください。

まとめ

今回は就労資格証明書について、詳しくお話してきましたがいかがでしたか。

当社は外国人労働者に特化した人材紹介サービスを提供しており、様々な職種・国籍の外国人労働者をご紹介しております。 

人材紹介サービスだけでなく、在留資格申請に関するサポートや受け入れ体制の構築支援なども行っておりますので、外国人労働者の雇用に取り組みたいという方は、是非一度お気軽にご相談ください。

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監修者
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。
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