バングラデシュ人を特定技能で採用するためのガイド

この記事は「特定技能制度においてバングラデシュ人を採用したい」、「バングラデシュ人の特徴や採用する上での注意点を知りたい」という方に向けて、特定技能におけるバングラデシュ人の採用ルートや注意点を中心に解説していきます。特定技能採用を検討している方、既に雇用をしているが採用を拡大したい方は、是非ご一読ください。

また、特定技能についての基礎知識などを分かりやすく図解した資料は以下からダウンロードできます。是非こちらもご活用ください。

特定技能ガイドブック - 基礎知識をわかりやすく図解で整理 -

バングラデシュとの関係

日本とバングラデシュの外交関係は、1971年3月のバングラデシュ独立直後に始まっています。独立以来、日本は資金援助、技術援助を通して、バングラデシュを支援しており、日本の支出額は約201億4000万米ドルに及んでいます。

また、2014年には両国は「包括的パートナーシップ」を宣言し、2023年にはそれが「戦略的パートナーシップ」に格上げされ、友好関係が強まっています。

特定技能制度においても、日本とバングラデシュは、2019年に特定技能外国人の運用に関して、「特定技能外国人の保護」「円滑な送り出しと受け入れ」「悪質な人材仲介業者の排除」などを目的とした二国間覚書を締結しています。

過去の日本の様々な援助はバングラデシュ国民にもよく知られており、新日家が多い国としても有名で、さらに、特定技能の二国間覚書締結からも今後日本にくるバングラデシュ人は増えてくることが予想されます。

バングラデシュ人を特定技能で採用するための手順

早速ですが、バングラデシュ人を特定技能で採用する手順を見ていきましょう。

他国とも同様ですが、バングラデシュから新たに日本に呼び寄せる場合と、日本在住のバングラデシュ人を採用する場合とで異なりますので、それぞれを以下に見ていきます。

バングラデシュからの採用方法

まずはバングラデシュから新たに呼び寄せて採用する方法を見てみましょう。

出入国在留管理庁が公表している資料によると、以下のようなフローになります。

バングラデッシュ特定技能外国人に係るて手続きの流れについて
出典:出入国在留管理庁|バングラデシュに関する情報

バングラデシュ国籍の方を特定技能外国人として受け入れるためには、在留資格認定証明書交付、 在留資格変更許可や査証発給手続きといった日本側の手続きが必要となります。これに加え、バングラデシュ側でも一定の手続きが必要とされていますので、この点も含めて、以下にこれらの手続きの概要を説明します。ただし、バングラデシュから呼び寄せる場合は、送り出し機関を経由することはマストではないため、送り出し機関を経由しない場合にて解説をします。

手続き開始:バングラデシュ側の準備

まず、バングラデシュ側の準備として、受け入れ企業は、バングラデシュから新たに特定技能外国人として受け入れに際して、要求書(DemandLetter)を駐日バングラデシュ大使館に提出し、認証を受ける必要があります。また要求書と同時に、雇用を予定しているバングラデシュ人に係る詳細を添える必要があります。

この手続きは、大使館に直接提出するほか、郵送又はWEBサイトを通じても行うことができます。また、申請から認証の交付までは約3営業日かかり、費用は無料です。 

雇用契約の締結

上記のバングラデシュ側の準備後、認証済要求書を受領した受け入れ企業は、採用予定のバングラデシュ国籍の方と雇用契約を締結します。

在留資格認定証明書の取得

雇用契約締結後、受け入れ企業は、地方出入国在留管理官署に対し、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行い、その交付を受ける必要があります。

この在留資格認定証明書の交付を受けた企業は、雇用契約を締結したバングラデシュ人へこの認定証明書の原本を郵送します。

ビザ発行手続き

特定技能の在留資格認定証明書を受け取ったバングラデシュ人は、在バングラデシュの日本国大使館にこの証明書を提示の上、特定技能に係る査証(ビザ)発給申請を行います。

在留資格認定証明書の有効期限は3ヶ月のため、ビザ発行までにこの有効期限が切れないよう、余裕を持って申請をしましょう。

BMET取得の詳細

ビザ発給を受け来日予定のバングラデシュ人は、発給されたビザを含め、関連する書類をバングラデシュ人材雇用研修局(BMET:Bureau of Manpower Employment and Training)に提出し、エミグレーション・ クリアランス・カードを取得する必要があります。このカードを入手すれば、日本に向けて出国が可能となります。

このカードの発行には、申請から約2営業日かかるとされています。

なお、バングラデシュに一時帰国後、再度日本へ入国する際には、当カードの再取得は不要です。 

日本在住のバングラデシュ人を採用する方法

次に、日本在住のバングラデシュ人を採用する方法です。

バングラデッシュ特定技能外国人に係るて手続きの流れについて
出典:出入国在留管理庁|バングラデシュに関する情報

このケースはとてもシンプルで、

  • 雇用契約の締結
  • 在留資格変更許可申請、許可の取得
  • 在留資格変更、雇用主の変更を駐日バングラデシュ大使館に報告

の3つを行います。

特定技能への在留資格変更許可申請については、原則本人が行う必要があるので注意が必要です。

バングラデシュの送出機関認定の重要性

先述の通り、バングラデシュから新たに呼び寄せる場合においては、送出機関を経由するかは任意ですが、ここでは送出機関を利用する場合の手続きについて見ていきます。

送出機関を介する場合の重要な点としては、バングラデシュ海外居住者福利厚生・海外雇用省(MEWOE)から認定を受けた現地の送出機関やバングラデシュ海外雇用サービス公社(BOESL)(以下ともに「認定送出機関」)を通じて求人・各種手続きをしなくてはならないことです。

手続きの流れは以下の図の通りです。

バングラデッシュ特定技能外国人に係るて手続きの流れについて
出典:出入国在留管理庁|バングラデシュに関する情報

まず、受け入れ企業は、駐日バングラデシュ大使館から要求書の認証を受けた後、認定送出機関に認証済要求書を送付します。

次に、認定送出機関が、上記の認証済要求書と共に条件に合う人材の候補リストをバングラデシュ人材雇用研修局(BMET)のデータベースから抽出し、MEWOEへ提出し、承認レターの交付を受けます。また、交付を受けた承認レターは受け入れ企業に送付します。

承認レターを受領した受け入れ企業は、採用予定のバングラデシュ人と雇用契約を 締結します。

雇用契約締結後の手続きについては、認定送出機関を介さずバングラデシュから新たに受け入れる場合と同様です。

バングラデシュ人材の魅力

ここでは、バングラデシュ人材の魅力をいくつか紹介していきます。

また、バングラデシュについて、バングラデシュ人材サービスを行っているアドセック株式会社様にお伺いした弊社Youtubeもありますので、併せてご覧ください。

①人懐っこい性格

バングラデシュ人は、初対面であっても非常にフレンドリーで、人との距離感が近い人懐っこい性格が特徴です。

比較的、おしゃべりで人と話すのが好き、お金より人を大事にするような方が多く、さらに家族をとても大切にします。

家族の中で父親は威厳があり、昭和の古き良き日本の縦社会の色が強く残っている一方で、日本の4割しかない国土に約1.7億人の人口がおり、必然的に多くの人と関わり合いを持つため、他人にも寛容な側面も持ち合わせています。

②バイタリティが高い

バングラデシュは日本やインドなどの援助もあり、経済成長が著しく、近年のGDP年間成長率は6.5%ほどとされています。

また、人口は約1.7億人に対して平均年齢は27.6歳ととても若い人口が多い国です。

そのため、バイタリティがあふれる若い人材が非常に多いのも魅力の1つです。

③トラブルが少ない

前述と重複する部分はありますが、人間関係を大事にするバングラディシュ人はトラブルが少ないのも魅力です。

気候や大気汚染などの生活環境が厳しい中で生活をしていた影響もあり、環境への適応力も強いです。

他人や環境への適応力が高いことがトラブルが少ないことに繋がっているのかもしれません。

バングラデシュ人採用のメリット・注意点

ここからは、バングラデシュ人を採用する場合のメリットや注意点を見ていきます。

①優秀な人材が多い

まずメリットとしては、優秀な人材が多いという点です。

特に語学習得が得意とされており、母国語で多くのアルファベットを使用することから、どのような言語であっても発音がうまく、習得も早いといった特徴があります。

そのためか、英語が堪能な人材が多く、TOEICの平均点が895点(2014年実績)と非常に高いです。

また、バングラデシュ人は、人種的に非常に高い理系能力・IT能力を持っており、IT人材の宝庫としても注目を集めているのです。

②ウエットな関係を築く

注意点としては、職場の人間関係についてもウエットな関係を好む気質があるところです。

バングラデシュ人は、人懐っこくお金より人間関係を大事にする特徴があることから、欧米的な、仕事とプライベートはハッキリ分ける考え方や、近年の日本のような職場での人付き合いはドライにという考え方はあまりありません。

より家族のように頼り頼られるような関係性を好む人材が多いため、バングラデシュ人を採用した際は、仕事とプライベートの垣根を超えるようなウエットな関係を築いてあげることを心がけましょう。

そうすれば、早期退職を防げるだけでなく、会社に貢献するために努力をしてくれるでしょう。

まとめ

今回は特定技能制度においてバングラデシュ人を採用するケースについて解説しましたが、いかがでしたか。

まだまだ特定技能外国人として在留している人数が少ないバングラデシュ人ですが、とても親日家で人間関係を大事にし、優秀な人材も多いです。

また、20代から30代の働き盛りがボリュームゾーンに集中している一方で、国内での仕事が少なく、国外に働きに出る若者も多くいるため、今後特定技能での活躍も期待されます。

もし、特定技能外国人を雇用したい!バングラデシュ人の採用をしたい!という方は、是非以下のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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監修者
菅原 勇人
菅原行政書士事務所代表。埼玉県熊谷市生まれ。2017年早稲田大学大学院卒業後、建材商社へ入社。主に営業として、中小中堅の建設事業者への提案に従事。就労をしながら、行政書士や宅建など法務系資格を複数取得。現在は菅原行政書士事務所の代表として、約1,000件にも及ぶ申請取次業務に携わる。行政書士(埼玉県行政書士会所属 / 第24132052)
編集
中村 大介
1985年兵庫県神戸市生まれ。2008年に近畿大学卒業後、フランチャイズ支援および経営コンサルティングを行う一部上場企業に入社し、新規事業開発に従事。2015年、スタートアップを共同創業。取締役として外国人労働者の求人サービスを複数立上げやシステム開発を主導。海外の学校や送り出し機関との太いパイプを活用し、ベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュの人材、累計3000名以上の採用に携わり99.5%の達成率にて、クライアント企業の事業計画の推進に成功。このノウハウを活かし、パフォーマンスを倍加させた新しいシステムを活用し、国内在住の外国人材の就職の課題を解決すべく2021年に株式会社ジンザイベースを創業。趣味はキャンプとゴルフ。
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